フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、本音ではF1カナダGPの表彰式に参加したくはなかったが、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールへの“リスペクト”として表彰式に戻ったと明かす。5秒加算ペナルティによって勝利を奪われたセバスチャン・ベッテルは、トップ3フィニッシャーのための位置にマシンを停めずにレースコントロールの近くに駐車し、トップ3インタビューを受けずにホスピタリティエリアへと直行した。
その後、表彰式に戻ってきたセバスチャン・ベッテルだが、途中でルイス・ハミルトンのクルマの前からナンバー1ボードを取り上げて、自分のマシンが駐車されるべきだった場所に置き、ハミルトンのマシンの前にナンバー2のボードを置いて裁定に無言の抗議した。レース後の記者会見でその時のことについて質問されたセバスチャン・ベッテルは「パルクフェルメにクルマを停めた。トップ3のためのものではない別のパルクフェルメだけどね。そのあと計量に行った」とコメント。「その時点ではそのあとの行われるどれにも参加したくなかった。とても熱くなっていたし、むかついていた。失望していた。その理由は誰もが理解してくれていると思う」「表彰台でルイスとシャルル、そして、表彰台に参加したメルセデスの代表者(ハミルトンのパワーユニットエンジニア)にリスペクトを示さなければならないと思った」「その場にいたくなかったのは確かだ。その時点ではとにかく外にいたかった」「(記者会見で)ここに座っているのも私の自由意志ではない。でも、僕はここにいなければならない」ルイス・ハミルトンに促されて一時的に表彰台の頂点に上がったセバスチャン・ベッテルは、ルイス・ハミルトンにブーイングを浴びせたファンに素早く対応した。パルクフェルメでのインタビューの場にいなかったので、インタビュアーのマーティン・ブランドルは表彰台でセバチャン・ベッテルに改めてインタビューをした。ルイス・ハミルトンについてもペナルティについての質問がなされ、ハミルトンは「何より僕が決めたことではないし、どうして彼らがブーイングをしているのかわからない。裁定のことかもしれないね」とコメント。すると、セバスチャン・ベッテルも「ルイスにブーイングするべきではない」と割って入った。その件についてベッテルは「ルイスは何も関係ない。もちろん、みんなが不満なのは理解している。僕もこのような裁定には満足していない」とコメント。「しかし、それはルイスとは無関係だ。ブーイングをするのは間違っている。僕が割って入ったのはそれが理由だ」「彼の答えを中断したことは申し訳なく思うけど、割って入って「彼にブーイングするのはやめてほしい。彼は何も悪いことをしない』と言った」「彼が素晴らしいレースをしたし、多くのプレッシャーにさかけてきた。僕はそれを本当に楽しんだ」「僕たちはお互いに大きなリスペクトを共有している。裁定は彼とは何も関係もないことだ」