同じマシンでマックス・フェルスタッペンと競り合えるF1ドライバーは、グリッド上でただ一人しかいない。それはシャルル・ルクレールだ。そう語るのは元F1ドライバーのリカルド・パトレーゼで、ランド・ノリスが新たなワールドチャンピオンであることは認めつつも、フェラーリのドライバーだけがフェルスタッペンと同じレベルにあると主張している。
リカルド・パトレーゼ「たとえ新チャンピオンがノリスであっても……」フェラーリ在籍7年目となるルクレールだが、ドライバーズ選手権のタイトル争いを本格的に繰り広げたことは、いまだに一度もない。ルクレールは2019年、メルセデス時代の終盤にフェラーリへ加入した。その時代、彼の新たなフェラーリのチームメイトであるルイス・ハミルトンは、メルセデスのカラーでタイトルを独占していた。やがてメルセデスの支配に終止符を打ったのがレッドブルとフェルスタッペンであり、オランダ人ドライバーは2021年のタイトルをホイール・トゥ・ホイールの激闘の末にハミルトンから奪い取った。こうして「フェルスタッペン時代」が始まった。しかしその時代も、今季はマクラーレンとノリスがダブルタイトルを獲得したことで終焉を迎えた。ノリスはフェルスタッペンに2ポイント差でタイトルを制している。ルクレールは、2022年にフェルスタッペンに次ぐ2位、そして2024年にはフェルスタッペンとノリスに次ぐ3位でシーズンを終え、2度ランキング上位に入ったものの、真のタイトル争いを仕掛けたことはない。ランキング2位だったシーズンでさえ、フェルスタッペンとの差は146ポイントにも及んでいた。だが元ドライバーのパトレーゼによれば、その責任はルクレールではなく、彼に世界タイトルを争えるマシンを与えてこなかったフェラーリにあるという。実際、71歳のパトレーゼはルクレールを高く評価しており、フェルスタッペンと戦えるドライバーは彼しかいないと断言している。「どこにサプライズがあるというんだ?」と、パトレーゼはイタリア人ジャーナリストのレオ・トゥリーニに語った。「たとえ新チャンピオンがノリスであっても、絶対的な天才であるフェルスタッペンと戦える唯一のドライバーはカルレット(Carletto/親しみを込めたシャルル)だ」「彼は常に戦っている。だがスクーデリアの事情で、これまで一度も正しいマシンを手にしたことがない。シャルルは勝利に飢えている。彼が感じているフラストレーションは理解できるし、数少ないミスも、勝ちたいという強烈な欲求の裏返しなんだ」ルクレールのチームメイトであるルイス・ハミルトンについても、パトレーゼは、正しいマシンさえあれば史上最多となる8度目のタイトルを争えると確信している。その8度目のタイトルは、本来ならすでに手にしているべきだったとも付け加えた。「ルイスはF1のあらゆる記録を塗り替えたドライバーだ。7度のワールドチャンピオンだが、我々は皆、2021年アブダビで8度目のタイトルを奪われたことを知っている。「彼のようなドライバーには、競争力のあるマシンを与えなければならない。そうでなければ崩れてしまう。最強チームに少しでも近いフェラーリにルイスを乗せてみれば、彼が今でも戦っている姿が見られるはずだ」