フェルスタッペンは、2025年F1アブダビGPで優勝しながらも、わずか2ポイント差で5年連続タイトルを逃した。しかしレース後、彼は戦略面やヤス・マリーナの新レイアウトが、マクラーレン勢を意図的に“渋滞させる作戦”を阻んだと説明し、敗戦を「負けとは思っていない」と語った。序盤の不振で104ポイント差を背負いながらも、夏以降の巻き返しでタイトル争いに復帰したフェルスタッペン。9戦中6勝という驚異的な後半戦を振り返り、レッドブルの戦いぶりを「非常に誇りに思う」と強調した。
バックアップ作戦が不可能だった理由フェルスタッペンは、なぜレース終盤にペースを落として、背後のマクラーレン2台を“詰まらせる”戦術を取らなかったのかという疑問に答えた。「たくさんのシナリオを頭に描いていた。でも、もちろんオスカーのタイヤ戦略を見た時点で、それは相当難しいと分かっていた」とフェルスタッペンは語った。「僕たちは前で少し速すぎた。他のマシンはあのペースについていけなかったと思う。シャルルは本当に全力で走って、表彰台を狙っていた。それも印象的だった」ノリスとルクレールが2ストップ、フェルスタッペンが1ストップと戦略が分かれたことで、隊列を意図的に固めるやり方は実行不可能だったと説明する。「彼らは2ストップに行った。1ストップのまま全体をバックアップするのは難しい。それに、この新しいレイアウトでは2016年にやったようなことをするのはもっと難しい」タイトル逆転を狙った“奇跡の瞬間”を待っていたフェルスタッペンはレース中、タイトル争いに影響する何かが起きないか、コース上の大型スクリーンを見続けていたという。「ずっとスクリーンを見て、何か起きるのか確認していた。レース自体は本当によかったし、ただクルマを運転して楽しんでいた。毎周のストレートで、何か起きたか見ていた。でも、それもレースの一部。特に気にしすぎていたわけじゃない」結局ノリスが3位を守り切り、フェルスタッペンは2ポイント差でタイトルに届かなかった。「負けとは思っていない」— タイトル喪失への心境レース後、フェルスタッペンはSky Sportsに対し、自身の敗北を「負け」とは捉えていないと語った。「正直、負けたとは思っていない。彼(ノリス)は本当にいいシーズンを送った。彼とオスカーの戦いは激しかったし、そこに僕も加わった。初めてのタイトルを取るときは、とても特別で、感情的なものだ。グリッドの全員がその瞬間を夢見ている。だから、彼には今夜、家族やチームと楽しんでほしい」後半戦の“6勝”とレッドブル復活の理由フェルスタッペンは、104ポイント差からここまで巻き返せた理由として、レッドブルの姿勢を称賛した。「ローラーコースターのような一年だった。序盤は特に厳しかった。でも、なぜ悪いのか分からないレースが続いた後でも、チームは絶対に諦めなかった。100ポイント以上の差がついて“終わった”と言うのは簡単だ。でもチームは常に問題を理解しようとし、戦い続けた」「どんな差であれ、1ポイント、10ポイント、20ポイント……後ろで終われば後ろだ。でも、とても楽しかったし、戦いは楽しかった。チームは本当に団結していて、ファイターだ。状況が悪いときも互いに支え合った。それを誇りに思う」2025年の総括と、2026年への自信フェルスタッペンは、アブダビでの週末について「やれることはすべてやった」と断言する。「僕たちはすべてを最大化した。ポールを獲って、レースでも強いペースで勝った。やれることは全部やった。オスカーが違う戦略だったこともあって、隊列をまとめるのはさらに複雑だった。だから、他にできることはあまりなかった」最後にフェルスタッペンは、2026年の新時代へ向けて胸を張った。「週末全体をとても誇りに思う。僕たちはすべてを出し切ったし、クルマを運転するのが楽しかった。2026年に向けて、この勢いのまま進んでいきたい」