マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は、2025年のタイトルを逃したとしても、シーズン前半のスペインGPでの接触事件が決定打になることはないと語った。フェルスタッペンは現在、ランキング2番手のオスカー・ピアストリと同点で、首位ランド・ノリスとは24ポイント差。残るはカタールとアブダビの2戦、最大58ポイントが懸かる。シーズン序盤のマクラーレン勢の支配と、レッドブルの苦戦を考えれば、彼が依然としてタイトル争いに踏みとどまっていること自体が“驚異的”と言える展開だ。
レッドブルは第16戦モンツァで投入したアップグレードを境に流れを変え、直近7戦で4勝を挙げて一時は104ポイント差あったギャップを詰めてきた。2025年のフェルスタッペンは“シーズン最強のドライバー”と評される一方で、彼自身が「批判点」と認める唯一の出来事が、6月のスペインGPだった。バルセロナでは、セーフティカー明けのリスタート直後にジョージ・ラッセルにターン1で仕掛けられ接触。エスケープロードへ逃げた後、チームが誤った判断でラッセルにポジションを返すよう無線で指示したことでフェルスタッペンの怒りが爆発した。最終的には10秒加算ペナルティで10位に終わり、9〜11ポイントを失う結果となった。フェルスタッペンはF1TVに「当時の対処は後悔している」と語ったが、それでもタイトルを逃す原因をこの一件に求めるつもりはないと強調する。「どうして自分があの状態に至ったのかも理解しないといけない」とフェルスタッペンは語り、土曜スプリントの予選を6番手で終えた後に続けた。「問題は、僕が腹を立てた“その瞬間”だけじゃない。その前の判断で多くのことを間違えていたんだ。僕はレースに対してすごく情熱を持っているから、ああいう状況になった。『レースはもう終わりだからどうでもいい』なんて思えなかった」「もちろん、あれは振り返れば“良くなかった瞬間”だ。でも、シーズンの最後にタイトルを逃したとしても、『あの瞬間で失った』とは思わない。僕たちは全体的なパフォーマンスで失っているんだ。逆に言えば、僕たちが最大化したり、時に実力以上に引き出せたレースがあったから、いまも戦えている」さらにフェルスタッペンは、シーズンを通じた自己評価として「ほぼ毎週最大化できた」としつつ、それだけでタイトル争いに残っているわけではないとも言及する。ピアストリがバクーの1周目でクラッシュした例や、オースティンのスプリントでのマクラーレン同士の接触、さらにはラスベガスGPでの2台同時失格など、ライバル側の取りこぼしもタイトル争いを混乱させた要因だ。「もし取れなくても、僕の人生が変わるわけじゃない」とフェルスタッペンは言う。「五度目? 取れたら素晴らしいけど、現実的に見る必要がある」「僕たちがまだ戦えているのは、他のチームのミスもあるからだ。シーズン全体を見れば、僕たちがやってきたことだけが理由じゃない。僕たちは本当に多くのレースで最大限を引き出した。でも、もしあれほど支配的なクルマを持っていたら、タイトルはもっと前に決まっていたはずだ」フェルスタッペンの発言が示す“2025年タイトル争いの構図”フェルスタッペンはスペインGPの“唯一の失敗”を認めつつも、それが決定打ではなく、シーズンを通じたマシン性能の不足が最大の原因だと冷静に分析している。一方で、マクラーレン側の失点がタイトル争いを混沌とさせたという指摘は、2025年シーズンの本質を突いている。残り2戦。ノリスが逃げ切るのか、ピアストリが逆転するのか、あるいはフェルスタッペンが“大逆転で五度目”へ向かうのか──2025年のタイトル決戦は、最後まで予測不能となっている。