2025年F1サンパウロGPで、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が再び歴史を塗り替えた。予選16番手に沈み、セットアップ変更によってピットレーンスタートを強いられたにもかかわらず、驚異的な走りで3位表彰台を獲得した。これは彼のキャリア124回目の表彰台であり、F1史上屈指の偉業と記録更新を同時に達成する週末となった。
レース中盤には一時トップに立つ場面もあり、優勝したランド・ノリス(マクラーレン)と2位のキミ・アントネッリ(メルセデス)に続く3位でフィニッシュ。フェルスタッペンは「ピットレーンからの表彰台」という珍しい記録を達成し、さらに複数の統計面でルイス・ハミルトンを上回った。表彰台率でハミルトン超え、新たな“効率王”にこの3位表彰台により、フェルスタッペンの通算表彰台回数は124回となり、F1史上3位の数字(1位:ハミルトン202回、2位:ミハエル・シューマッハ155回)。しかし注目すべきは“表彰台獲得率”で、フェルスタッペンは出走レースのうち53.91%で表彰台に立っており、ハミルトンの53.98%をわずかに上回った。これにより、50回以上の表彰台を記録したドライバーの中で史上最高の効率を誇る存在となった。参考までに、他のトップドライバーの数字は以下の通り:・アラン・プロスト:53.27%・ミハエル・シューマッハ:50.49%・アイルトン・セナ:49.69%現役勢では、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)の35.82%が3番手につけている。ピットレーン発進からの表彰台、2014年のハミルトン以来フェルスタッペンは、F1史上8人目となる「ピットレーンスタートからの表彰台」達成者となった。直近の例は2014年ハンガリーGPのルイス・ハミルトン以来で、キミ・ライコネン、ルーベンス・バリチェロ、セバスチャン・ベッテル、ナイジェル・マンセル、アラン・プロストらが同様の偉業を果たしている。これにより、フェルスタッペンは17種類もの異なるスターティングポジションから表彰台を獲得した史上初のドライバーとなった。この数字は、長年トップだったキミ・ライコネン(16種類)の記録を更新する新記録である。フェルスタッペンが表彰台を獲得したスターティングポジションは、1番、2番、3番、4番、5番、6番、7番、8番、9番、10番、14番、15番、16番、17番、18番、20番、そしてピットレーンの計17ポジション。ライコネンはこれまで、1番から13番、17番、22番、そしてピットレーンから表彰台に立った経験を持つ。以下が主な記録保持者たちである:■ マックス・フェルスタッペン: 17ポジション(1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 14, 15, 16, 17, 18, 20, ピットレーン)■ キミ・ライコネン: 16ポジション(1〜13, 17, 22, ピットレーン)■ ルーベンス・バリチェロ: 15ポジション(1〜10, 11, 15, 16, 18, ピットレーン)■ ジャック・ラフィット: 15ポジション(1〜10, 13, 14, 15, 16, 20)■ ルイス・ハミルトン: 15ポジション(1〜10, 14, 17, 20, 21, ピットレーン)異なるグリッド位置からの勝利数でも単独首位フェルスタッペンはまた、異なるグリッド位置からの勝利数10回というF1最多記録も保持している。これは2024年にフェルナンド・アロンソ(9回)を上回って更新したものであり、彼のレースクラフトと適応力の高さを裏付ける数字だ。タイトルは遠のくも“記録の男”健在フェルスタッペンは依然としてタイトル争いではランド・ノリスにリードを許しているものの、ブラジルで見せた走りはまさに“偉業”そのものだった。ピットレーンからの追い上げ、トップ走行、そして記録更新――。彼はチャンピオン争い以上に、“F1史に名を刻む存在”として、その地位をさらに不動のものにしている。
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