マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は、F1メキシコGPの決勝を5番グリッドから迎えるにあたり、「明日は厳しいレースになる」と警戒感を示した。金曜プラクティスで最速を記録したものの、ロングランでのペースに不安を抱えており、「週末を通してすべてが難しかった」と振り返っている。フェルスタッペンは土曜の予選で1分16秒070を記録して5番手。ポールポジションを獲得したランド・ノリス(マクラーレン)とは約0.5秒の差がついた。マシンは再び不安定な挙動を見せ、終始グリップ不足に苦しんだという。
「いろいろ試したけど、予選に入ってもトラックの一部では少し間違った方向に行ってしまったと思う。オンボード映像を見ればわかる通り、本当に難しかった」とフェルスタッペンは予選後に語った。「週末を通してグリップを見つけられなかった。原因を理解する必要がある。予選でそうした問題を抱えるとスライドが多くなってしまうし、このサーキットではそれは致命的だ」「タイヤにも厳しいレースになる」前日の走行後には「ロングランが良くない」と明かしていたフェルスタッペンだが、チームは夜間に大幅なセッティング変更を行ったという。「昨日の問題を受けて、通常なら変化が出るような大きな調整をした。でも今週末はこれまでとは違って、すべてがうまく反応してくれなかった」と明かした。決勝では、ノリス、ルクレール、ハミルトン、ラッセルの4台の後方からスタートするが、フェルスタッペンは「彼らとは戦えない」と冷静に分析している。「明日は難しくなると思う。暑くてタイヤにも厳しい。良いバランスが必要だけど、今のところそれがないんだ」「前の連中と戦えるとは思っていない。彼らははるかに速い。僕が戦うのは、むしろ周囲のドライバーたちになるだろう」分析:予想外の後方スタート、焦点は“タイヤマネジメント”にフェルスタッペンはここ数戦で圧倒的な強さを取り戻していたが、メキシコでは例外的に苦戦。高地特有の薄い空気により冷却効率とダウンフォースが低下し、RB21の特性と噛み合っていない可能性が高い。特にターン中盤のリアグリップ不足が目立ち、アンダーステア解消を狙ったセットアップ変更も裏目に出たとみられる。決勝では気温上昇と路面温度の上昇により、タイヤの熱ダレが大きなテーマになる。フェルスタッペン自身が「バランスが取れていない」と語った通り、長いスティントでのマネジメント力が勝負を左右するだろう。タイトル争いを続ける中での5番グリッド発進――フェルスタッペンがどこまで順位を挽回できるか、戦略とペース両面での修正力が問われる一戦となる。
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