マックス・フェルスタッペンは、2025年F1マイアミGPの週末に、父親として初めてレースに臨んだ。週の初めに第一子・リリーが誕生し、人生の節目を迎えたばかりの王者は、予選で見事ポールポジションを獲得。だが決勝では苦戦を強いられ、最終的には4位でのフィニッシュとなった。それでも、フェルスタッペンの口から語られる言葉には、これまでとは異なる穏やかさと責任感がにじんでいた。
「娘が生まれてから数日間は家で過ごすことができた。新しい命が無事に生まれたことを、自分の目で確かめる時間を持てたのは本当に良かった」と振り返る。そしてサーキット入り後も、「1日中恋人と連絡を取り合っている。娘の写真を送ってもらったり、FaceTimeで顔を見たり。あの子の存在が、今の自分の心の支えになっている」と家族への思いを語った。一部で囁かれた「父親になると速さが落ちるのでは」という声に対しては、「そんなのはナンセンスだ」と即答。「今回のポールポジションが、その疑念を払拭する証明になったと思う」と、自信に満ちた表情で答えている。ただし決勝では、予想外にペースを欠き、ライバル勢に対して劣勢を強いられる展開に。マイアミでの勝利は逃したものの、フェルスタッペンはこの週末を“新たな原点”と捉えていた。「これまでは自分やチームのために走っていた。でも今は、父親として誇れる存在でいたいという気持ちがある。その思いが、これからの自分にさらなる強さを与えてくれるはずだ」マックス・フェルスタッペンにとって、2025年マイアミGPは単なる一戦ではない。家族という新たな力を得て走るF1王者は、これからどのような進化を遂げていくのか――注目が集まる。