マクラーレンを数十年にわたって率い、2016年末にチームの共同オーナー兼経営陣から退いたロン・デニスが、F1への復帰を完全に否定した。現在77歳のデニスは、英紙『The Times』に対し、「F1には二度と戻らない」と語った。退任時に受け取ったとされる3億5000万ドルの一部を使い、彼はイギリス・バークシャーのテムズ川沿いに豪華な邸宅を購入したという。
「子供や孫たちがレースに行きたいとせがんでくるのは想像できるだろう」とデニスは語る。「彼らのために手配はするけれど、私は行かない」「人は礼儀正しいから、席に座らせてコーヒーを出してくれるだろう。でも、自分には何の役割もないんだ。単なる余剰パーツでしかない。そんな立場には絶対にいたくない。私は他にもっとやるべきことがある」そうした“やるべきこと”には、ビジネスや慈善活動が含まれる。一方で、現在でもF1のレースをテレビで観戦していることも明かした。「日曜にはグランプリを観る」としながらも、こう続けた。「いつも音を消して観るんだ。自分はF1についてあまりにも多くを知っているから、解説者たちの戯言には耳を貸したくない」「レースの純粋さを観るのが好きなんだ。私はスポーツが大好きだし、今でもグランプリ観戦は楽しんでいる」イギリスにおけるF1テレビ中継はSky Sportsが担っており、メイン実況のデビッド・クロフトや元マクラーレンF1ドライバーのマーティン・ブランドルをはじめ、ナオミ・シフ、バーニー・コリンズ、テッド・クラヴィッツらが番組に出演している。