ヤルノ・トゥルーリが、F1第4戦 バーレーンGPを振り返った。ポールポジションを獲得し、トヨタのF1初勝利の期待がかかったレースだったが、残念ながらタイヤ戦略のミスが響き3位でフィニッシュ。しかし、今年のトヨタは3位には満足していない。これからのシーズンに向けて、トゥルーリが意気込みを語った。レースでは3位でしたが、この結果には満足していますか?正直に言うと、落胆しているよ。と言うのも、予選がとても上手くいって、トヨタの初優勝に挑めるかもしれないと期待が高まっていたからね。3位より上の結果を期待していた...
落胆を感じていること自体、チームが進化したことの表れなのでしょうか?全くその通りだ。3位なのに落胆しているというのは、過去数シーズンと比べると大違いだね。昨年のマニクールで僕が3位を獲得したときは、本当に特別な瞬間だったし、その前のシーズンには表彰台の近くに行くことすらほぼ不可能だったんだから、今年の僕たちは本当に大きく進化したことがわかる。4戦を終えて既に3回表彰台を獲得しているが、これは昨年までの3シーズン合計で獲得した表彰台の数と同じだ。再びポールポジションに戻れたのはどんな気持ちでしたか?土曜日は素晴らしい気持ちだった。僕はブレーキにちょっとした問題を抱えていたため、予選セッションは簡単ではなかったものの、ポールポジションを狙えるクルマを手にしていることはわかっていたので絶対に諦めなかった。チームにとって素晴らしい結果だったし、個人的にも、またポールポジションに戻れたのは素晴らしい気分だったよ。レースでは何が起こったのでしょう?スタートではティモに順位を譲ったが、これはちょっとしたオイル漏れがあり、そのせいでエンジンが本来のようには吹け上がらなかったからだ。もちろんトップで走れた方が良かったけど、僕はルイス(ハミルトン)とかなりドラマチックなバトルを展開した。ホイールとホイールが接触しそうなバトルで、エキサイティングだったね。その結果、2位をキープできた。クルマのフィーリングはかなり良好で、10周目には今回のレースの最速ラップを記録した。しかし僕の最初のピットストップの際にタイヤをミディアムに交換し、その後はとにかくスーパーソフトタイヤを履いている燃料の軽いクルマを相手に防戦一方になってしまったんだ。先頭集団の他のドライバーたちは、ミディアムタイヤの使用を最後のスティントまで待った。振り返ってみると、多分それが正しい判断だったのだろう。僕はセバスチャン(ベッテル)をすぐ後ろに従えていたが、最後のピットストップで彼に先行されてしまった。(最後のスティントで)僕はスーパーソフトタイヤを履いていたので、彼よりも速かった。自分にでき得る限り懸命にプッシュしたものの、とにかく追い越しは不可能だったよ。レースは僕たちにとって都合良くはいかなかったものの、それでも良いレースをしたし、表彰台も獲得できた。昨年までの3シーズンで表彰台を獲得したのは3度でしたが、今シーズンは4戦で3度です。何が変わったのでしょう?チームの全員がこのクルマの開発を本当にがんばってくれて、その成果を今僕たちが目にしているんだよ。F1では、常に自分にでき得る限り一生懸命に仕事をしなければならないし、僕たちは絶対に戦いをあきらめたりしない。だから僕たちが進化できたのは、全員の懸命なる努力の賜物と言える。一方で経験も必要になるが、トヨタはF1で7シーズンを過ごし、以前より遥かに経験も増えた。だからクルマをどうやったら速くできるのか、どうやって最高の性能をそこから引き出すのかも以前よりよく理解できているんだ。ヨーロッパラウンドが始まってからも、チームは引き続きトップ争いに加われるでしょうか?シーズン全体を通じて高い競争力を発揮できる可能性は高いと僕は信じている。ただし、言うまでもなく、僕たちは一生懸命に仕事をし続けなければならない。あとのことは時間が教えてくれるだろう。現在のクルマは非常に戦闘力が高いし、僕たちは自分たちがやっていることに集中しているから、今後も絶対にトップ争いができると確信している。また当然ながら、歴史的に見て常に成功して来たチームで今シーズンここまでは苦しんでいるチームもあるが、そういったチームには常にクルマを改善してくる力がある。だから僕たちも自分たちの開発を続けなければならないし、絶対にプシュすることをあきらめてはいけない。僕は自分のチームを信頼している。表彰台であなたはアブルッツォで起こった地震の被災者へのサポートを強調していましたが、その救援活動は現在どんな状況ですか?とても上手く進んでいる。きっと多くの人々が知っていると思うが、僕は、今回の震災で被害を被った人たちのために義援金を募るべく、ウェブサイト(www.abruzzonelcuore.org)を立ち上げており、既に1万7000ユーロを超える義援金が集まっている。このことはとても嬉しく思っている。他のドライバーたちからも、オークションのために様々な品を提供してもらうなど、大きな支援をしてもらっているし、今後も人々を援助すべく、自分にできることをシーズンを通じてどんどんやっていくつもりだ。GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)も公式にこの活動を支援してくれているし、F1界全体からも大きな支援を得ている。