TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、1月23日(木)から26日(日)にかけて、モナコおよびフランスで開催される、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦「ラリー・モンテカルロ」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)に、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)を加えた、合計5台のGR YA...
2025年のWRCは、スペイン(カナリア島)、パラグアイ、サウジアラビアという3つの新イベントがカレンダーに加わり、ラウンド数は昨年までの全13戦から14戦に拡大。例年どおり、モナコとフランスを舞台とするラリー・モンテカルロで長いシーズンの開幕を迎える。冒険に満ちた新しいシーズンは、Rally1車両のレギュレーションにも大きな変更があり、これまで3シーズンに渡り組み込まれてきたきたプラグイン・ハイブリッド・ユニットが搭載されないことになった。その結果、車両の規定最低重量は従来の1260kgから1180kgへと大幅に引き下げられ、プラグイン・ハイブリッドによるブーストがなくなることと、吸気リストリクター径が36mmから35mmに絞られたことによるパワー低下を補完。昨年までと同様のパワーウェイトレシオを維持できるようになった。また、単一サプライヤーとして、ハンコックが初めてWRCトップカテゴリー車両にタイヤを供給することも大きな変更点となる。スポーティング・レギュレーションについても重要な変更があった。日曜日の最終総合順位に対して与えられるポイントが復活し、昨年までの土曜日終了時点での順位に対し付与されていたポイントは廃止された。ただし、日曜日のみの合計タイムによって競われる「スーパーサンデー」と、最終ステージのみの順位に対してポイントが与えられる「パワーステージ」は継続となり、これまでと変わらず、日曜日もエキサイティングな戦いが続くことになる。なお、日曜日の最終順位に対して与えられるポイントは、1位から10位までに25-17-15-12-10-8-6-4-2-1。スーパーサンデーとパワーステージは、いずれもトップ5に対し5-4-3-2-1ポイントが与えられる。2024年シーズン最終戦ラリージャパンでの優勝と、チーム一丸となって達成した逆転劇により、TGR-WRTは4シーズン連続となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得したが、2025年も総力をあげてタイトル防衛に臨む。GR YARIS Rally1と改名されたクルマについては、引き続き100%持続可能な非化石燃料を採用し、サスティナブルなモータースポーツ活動を推進する。また、プラグイン・ハイブリッドユニットによるブーストが得られなくなったことで、エンジンに求められる特性が変わったため、2025年車両ではエキゾーストシステムとカムシャフトを変更。さらに、ギヤレシオを見直すなどしてパッケージの最適化を図り、クルマの改良を推し進めた。ドライバーおよびコ・ドライバーのラインナップは、2024年シーズンからさらに強化。7戦へのパートタイム出場ながら4勝を飾った2022、2023年の世界王者ロバンペラが、ハルットゥネンと共に全戦出場にカムバック。また、エバンスとマーティン、勝田とジョンストンも全戦に出場。2024年、10戦に出場し3勝を獲得したオジエとランデは、2025年もパートタイムの出場となるが、開幕戦ラリー・モンテカルロには前人未到の大会10勝目を目指しエントリー。ロバンペラ、エバンスと共にマニュファクチャラーズポイント獲得ドライバーとして挑む。モンカルロでの勝田は、TGR-WRTの4台目として彼ら3人を支え、5台目のGR YARIS Rally1は若手のパヤリに委ねられる。2024年のWRC2にGR Yaris Rally2で挑みシリーズチャンピオンに輝いたパヤリは、かつて組んでいたサルミネンとのコンビを復活。新たに設けられた「TGR-WRT2」から、初めてトップカテゴリー車両で全戦に出場し、新チームのマニュファクチャラーズポイント獲得にも挑戦することになる。なお、パヤリの車両のリバリーはブラックとホワイトに塗り分けられるが、これはWRCの最高峰を目指す若手ドライバーにチャンスを与えるという、TGR-WRTの姿勢を表わすもの。2024年にパヤリと最後までWRC2の王座を競ったオリバー・ソルベルグは、2025年のWRC2タイトルを獲得することを最大の目標に、クルマをGR Yaris Rally2にスイッチ。昨年、パヤリを王座に導いたプリントスポーツから、WRC2の7戦にエントリーする。ただし、その7戦以外にもソルベルグはGR Yaris Rally2で出場。彼にとってはWRC2登録外イベントとなるが、開幕戦ラリー・モンテカルロでクルマへの理解をさらに深めることになる。また、ソルベルグと同じようにWRC2登録外イベントとなるが、TGR WRCチャレンジプログラムの小暮ひかると山本雄紀も、GR Yaris Rally2で初めてのラリー・モンテカルロに挑む。厳寒期のフレンチアルプスの山道が舞台となるラリー・モンテカルロは、基本的にはターマック(舗装路)イベントだが、舗装路面が氷や雪に覆われたステージも多くあり、天候も変わりやすいため、WRCの中で最も過酷なイベントのひとつと言われている。路面の状態が変わりやすいためタイヤ選択も非常に難しく、ドライ用、ウエット用、雪道用のスタッドレスタイヤ、金属製のスタッド(スパイク)が埋め込まれたスタッドタイヤなど、様々なタイプのタイヤが用意される。前年と同様、ラリーの中心はフランス南部ギャップのサービスパークとなり、ラリーの開幕を華やかに祝うセレモニアルスタートはモナコ中心部のカジノ広場で行われる。木曜日の午後モナコを出発した選手たちは、遠く離れたギャップのサービスパークを目指しながらデイ1として3本のナイトステージを走行。競技初日から、路面凍結の可能性もある合計54.16kmの夜間ステージと対峙することになる。金曜日のデイ2は、ギャップの東側と北側のエリアで、ミッドデイサービスを挟んで3本のステージを各2回走行。土曜日のデイ3も同様のフォーマットで行われ、ギャップの西側エリアで3本のステージを各2回走行する。なお、そのうちSS11/14の「オスロン/ルクーボー=ジャンサック」は完全な新ステージとなる。最終日となる日曜日のデイ4は、早朝ギャップのサービスパークを出発した後、木曜日の夜にSS1とSS3として走行した2本のステージを再走。その後、有名なチュリニ峠のコーナーを含む最終のパワーステージ、SS18「ラ・ボレーヌ=ベジュビー/ペイラ・カヴァ」を経て、モナコでフィニッシュを迎えます。4日間で18本のステージを走行し、その合計距離は343.80km。リエゾン(移動区...