TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、1月23日(木)から26日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦「ラリー・モンテカルロ」に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 17号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)の、3台のヤリスWRCで参戦します。WRC復帰4年目となる今シーズンは、ドライバーおよびコ・ドライバーのラインアップを一新し、全ての選手権タイトル獲得を目標に戦います。
今年もサービスパークが置かれるフランス南部のギャップは、オジエのホームタウンです。オジエはIRC(インターコンチネンタルラリーチャレンジ)として開催された2009年大会で、ラリー・モンテカルロ初優勝。2014年から2019年にかけては、WRCとして開催された大会で6連勝を飾るなど、これまでに通算7回モンテカルロを制しています。また、オジエは2013年から2018年にかけて6年連続でWRCドライバーズタイトルを獲得しており、今季はヤリスWRCで7回目の王座を目指します。2017年のラリー・グレートブリテンでWRC初勝利をあげたエバンスは、過去ラリー・モンテカルロで何度もベストタイムを記録しており、上位を争う速さを備えています。また、19才のロバンペラは2019年のラリー・モンテカルロにR5カーで出場し、WRC 2 Proカテゴリー2位を獲得。同年WRC 2 Proでシリーズチャンピオンに輝きました。しかし、WRカーでのWRC出場は今回が初めてとなります。ラリー・モンテカルロの初開催は1911年と、世界で最も長い歴史を誇るラリーイベントです。SS(スペシャルステージ)は基本的にターマックですが、山岳地帯では路面が雪や氷に覆われることも多く、コンディションは刻々と変化します。SSごとに変わるだけでなく、1本のSSの中でもドライ、ウェット、スノー、アイスバーンと変化するため、正しいタイヤ選択と路面判断能力が求められます。また、SSの開始直前にステージを走行し、最新の路面状況を選手に伝える「セーフティクルー」も非常に重要な役割を果たします。今年のラリー・モンテカルロは、水曜日の午後にギャップ近郊でシェイクダウンが行なわれ、木曜日のセレモニアルスタートは2年ぶりにモナコ公国で開催されます。夕方、モナコ湾に面したアルベール1世埠頭をスタートした選手達は、その後フランス山中で2本の夜間SSを走行しギャップへ。SS1「マリジャイ-ピュイミシェル」は、1994年以降初めて使われるステージです。金曜日は、ギャップを中心に新ステージの「サン=クレマン-フリシニエール」を含む、3本のステージを各2回走行。土曜日はギャップ周辺で2本のステージを各2回走った後、遠く離れたモナコへと向かいます。最終日の日曜日は、モナコを基点にフランス山中で、有名なチュリニ峠を通過する「ラ・ボレーヌ=ヴェジュビー-ペイラ・カヴァ」を含む2本のステージを各2回走行。最終のSS16「ラ・カバネット-コル・ド・ブロー 2」はボーナスの選手権ポイントを獲得可能な「パワーステージ」に指定されています。全てのSSを走り抜いた選手達はモナコへと戻り、アルベール1世埠頭でセレモニアルフィニッシュを迎えます。SSは4日間合計で16本、計304.28km。リエゾンを含めた総走行距離は1505.64kmとなります。トミ・マキネン(チーム代表)新シーズンの開幕戦であるラリー・モンテカルロは、エキサイティングなイベントです。特に、今年は多くのドライバーが今までと違うクルマで出場し、我々も完全に新しいラインアップで臨むため、興味深い1戦になるでしょう。我々チームはモンテカルロでまだ勝利を収めていませんが、毎年表彰台を獲得し、高いパフォーマンスを発揮してきました。セバスチャンは過去このラリーで燦然と輝く記録を残し、何台もの異なるクルマで優勝してきました。ですから、まだヤリスWRCを学んでいる段階であったとしても、今回もきっと優勝争いに加わると確信しています。それはエルフィンについても同様で、彼も過去モンテカルロで速さを示してきました。一方、カッレに関しては、完全にノープレッシャー状態での出場です。なぜならモンテカルロではとにかく経験が重要であり、WRカーで初めて出場するには難しい1戦だからです。それでも、チームとしては、今シーズンのタイトル争いを良いリザルトでスタートする自信があります。セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 17号車)ヤリスWRCで臨む最初のラリーのスタートが待ち切れません。全てのラリーカーはそれぞれ異なる特徴を持ち、それを学ぶためには走行距離を重ねる必要がありますが、ここまでのところテストでは上手く走れています。今シーズンの目標は7回目のタイトル獲得ですが、このクルマならば十分それは可能だと信じています。ラリー・モンテカルロには特別な思いがあり、1990年代の終わりにトミが何度も優勝する姿を、私は観客として目にしました。私にとってトミは、ラリーの世界で最初のアイドルでした。もちろん、私とジュリアンもこれまで良い結果を残してきましたが、連覇に対するプレッシャーは年々高まっています。私にとってラリー・モンテカルロは常にビッグチャレンジですが、心から楽しむことができる1戦でもあります。エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)トヨタのドライバーとして、最初に挑むラリー・モンテカルロが本当に楽しみです。WRCでチームを移籍したのは今回が初めてでしたが、スタッフ全員がとても歓迎してくれましたし、クルマにも良いフィーリングを感じているので、新シーズンが非常に楽しみです。初めてヤリスWRCをドライブしたのは、モンテカルロに向けた昨年12月のテストでしたが、極めて短時間で良いフィーリングを感じ、自信を持つことができました。このラリーでは常に、色々なコンディションに遭遇する可能性が高く、能力が試されます。クルマをセットアップする際は、自信を持つために何かが必要ですが、既にいくつか良い選択肢を得ているように感じます。カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)自分にとって、ラリー・モンテカルロは特別なイベントです。ヤリスWRCは、これまでドライブしてきたR5カーよりも格段にパワフルでダウンフォースもあるため、大きなステップアップです。しかし、ここまでのところテストではとても運転しやすいクルマだと感じています。それでも、まだ学ぶべき事は多く、全てを理解し、完全に適応するためには数戦必要でしょう。シーズンの序盤は昨年までとは違う考え方で臨み、忍耐強く走るつもりです。モンテカルロは、新しいクルマとチームで出場するには難しいラリーです。天気は変わりやすく、常に路面コンディションに...
全文を読む