2018年 FIA世界ラリー選手権(WRC) 第4戦 ラリー・フランス(ツール・ド・コルス)のシェイクダウンがコルシカ島のバスティア近郊で行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC 7号車)、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(9号車)の3台のヤリスWRCは、明日スタートする競技初日デイ1に向けて、ヤリスWRCの最終調整を行った。
2018年最初のフルターマック(舗装路)ラリーであるツール・ド・コルスのSS(スペシャルステージ)は、ツイスティなコーナーが連続するWRC伝統の1戦。競技のスタートを明日に控え、本番前の最終確認を行なうシェイクダウンが、サービスパークが置かれるバスティア空港近くのコースで行なわれた。全長5.45kmのコースは前日に降った大量の雨で濡れ、路肩の泥が流れ出たことで非常に滑りやすいコンディションだった。しかし明日以降は良い天気が続くことが予想されるため、チームは事前のプレイベントテストで導き出したセットアップを大きく変えることなく、最終的なシステムチェックに集中しシェイクダウンを終了した。競技初日となる4月6日(金)のデイ1は、島東海岸バスティアのサービスパークを中心に4本のSSが行われる。SS1とその再走ステージであるSS3は全長49.03kmの超ロングステージで、選手たちは序盤からタフなターマックステージと対峙する。SS2とその再走ステージであるSS4は、全長13.55kmと距離は短いが、テクニカルなコーナーが続きタイヤとブレーキに大きな負担がかかりる。4本のSSの合計距離は125.16km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は374.89kmとなる。トム・フォウラー(チーフ・エンジニア)今日のシェイクダウンの主目的は、クルマのシステムがすべて正常に機能しているかどうかをチェックすることでした。シェイクダウンは実際にラリーで走行するSSに近い内容のコースでしたが、昨日の強い雨により流れ出た泥で路面はどんどん汚れていきました。良いタイムを記すためには早い走行順で走る必要がありましたが、我々はそうではなかったのでタイムに関してはあまり心配していません。クルマはうまく機能していたので、我々はシェイクダウンよりも乾いた路面コンディションを想定してセットアップ作業を進めました。シェイクダウンの路面コンディションはSSと完全には同じではなく、それに合わせてセットアップを変えてしまうとミスをしやすくなります。事前のプレイベントテストは非常にうまく行ったので、そこで得た経験と自信を信じてラリー本番に臨みます。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)シェイクダウンのコースは路面が湿っており大変でした。コーナーのイン側をカットして走るクルマが増えれば増えるほど、イン側の泥がコースに流れ出し、非常に滑りやすい状態でした。我々はドライのセットアップに注力していたので、シェイクダウンのタイムは必ずしも実力を示すものではありません。ラリー期間中天気は良さそうなので、ドライコンディションを予想しています。昨日まで行なったレッキ(SSの事前下見走行)はとても大変でした。1200km近い距離を走り、あまたのコーナーの情報をペースノートに書き記しました。しかし、その作業もようやく終了し、明日から始まる1万コーナーのラリーに向けて今はリラックスしています。オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)雨で路肩に大量の泥が溜まり、それがコーナーのインカット走行により舗装路面にかき出され、シェイクダウンは非常に滑りやすい状態でした。ただし、競技中にもし雨で濡れたステージがあったならば、シェイクダウンのデータが役に立つでしょう。ツール・ド・コルスは誰もが勝ちたいと願う特別なターマックラリーですが、もっとも難しいラリーでもあります。クルマ、ドライバー、そしてコ・ドライバーにとって大きな挑戦です。良いフィーリングで走ることができればラリーを楽しめますが、そのためには正しいセットアップが必要です。クルマのフィーリングは良く、戦うための準備は整っています。エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)シェイクダウンのコースは最初の走行以降、路面状態が急速に悪化し難しくなっていきましたが、特に問題はありませんでした。驚くほど多くの泥が出ていたところもあり、コンディションはどんどん悪くなっていきましたが、ラリー本番では違う状況となることを期待しています。路面の影響もあってクルマは少し滑りやすく感じましたが、全体的に挙動は良いと思います。プレイベントテストはとてもうまく行き、我々のクルマはドライコンディションで高い競争力を備えているだろうと自信を持っています。明日は最初のSSからコルシカらしいコースで、距離も約50kmと非常に長いため、他のラリーのように徐々にスピードを上げていくような戦いかたは通用しません。最初からプッシュしなくてはなりませんが、タイヤの摩耗にも気を配る必要があります。
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