6月29日(木)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦ラリー・ポーランドが、ポーランド北東部のミコワイキで開幕。競技初日デイ1として、スーパーSS1本が特設コースのミコワイキ・アリーナで行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)が総合4位、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヤリスWRC#12号車)が総合6位、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC#11号車)が総合34位となった。
29日(木)の朝に行われたシェイクダウンは、前日夜の激しい雷雨により、コースの多くの部分が泥状となり、非常に滑りやすい路面コンディションとなった。ミコワイキ周辺の天気は不順で、強い雨により予定されていたセレモニアルスタートは中止に。しかしオープニングステージとなるSS1は、予定どおりサービスパークのすぐ横にある「ミコワイキ・アリーナ」で午後7時過ぎよりスタート。全長2.5kmのコースで2台同時スタート形式で行われ、不安定な天気にも関わらず大勢の観客が集まった。スーパーSSのコースもまた雨で泥状となっていたため、トヨタのドライバーは皆、慎重な走りに徹した。ラトバラは3人の中では最上位となる4位でSSをフィニッシュ。ラッピはエンジンに問題が発生するも6番手タイムを記録した。ハンニネンはジャンプスタートにより10秒のペナルティタイムを課せられ、総合34位で初日を終える事になった。競技2日目となる6月30日(金)のデイ2は、ポーランド北東部ミコワイキのサービスパークを基点として、ミコワイキの東側エリアを中心に9本のSSが行われる。SS2、3、4、5と、その再走ステージであるSS6、7、8、9はいずれもグラベル(未舗装路)が中心のステージ。そして1日の最後には、SS1と同じコースのミコワイキ・アリーナで、スーパーSSが予定されている。9本のSSの合計距離は111.84km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は585.24kmとなっている。トム・フォウラー (チーフ・エンジニア)シェイクダウンでは、雨で泥状になって非常に滑りやすい路面と砂状の路面が混在し、グリップレベルが不安定なコースでした。スピード域が高いコースに向けて主にエンジンに関する準備を進めましたが、すべて計画どおりに進みました。夜に行われたスーパーSSのコースは雨でとても滑りやすかったため、我々のドライバーは皆、注意深く走行しました。勝負はスーパーSSで決まるわけではないので、大きなリスクを負うべきではありません。ラリーの本当のスタートは明日です。エサペッカのクルマに発生した問題に関しては原因をほぼ把握しているので、明日のスタート前のサービスで解決を試みます。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC #10号車)シェイクダウンでクルマは良い感じでしたが、路面コンディションが一定ではなかったので、正確なフィーリングを得るのは簡単ではありませんでした。それでも、タイムには満足しています。スーパーSSのスタートでは小さなミスをしてしまいましたが、クルマのフィーリングはよくなり、順位も良い位置につけられたので、明日以降が楽しみです。ユホ・ハンニネン (ヤリスWRC #11号車)ラリー・ポーランドは、きっと大きなチャレンジになるでしょう。レッキ(コースの事前下見走行)の段階ではコースは完全にドライで、路面は硬く締まっていましたが、ラリーが始まる前に雨が降ったら路面は軟質な泥状となり本当に滑りやすくなります。スーパーSSには大勢の人がおり、走ってみると路面はグリップの変化が大きく大変でした。ジャンプスタートにより10秒のペナルティを受けてしまったのは残念ですが、遅れを取り戻せるように明日以降頑張りたいと思います。エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC #12号車)ポーランドは今季もっともスピードが高いイベントのひとつですが、路面の軟らかさに関しても全ラリーの中で上位にくると思います。大地の中を通る道は排水路がないため、雨が降ると水が逃げずに溜まってしまい非常に滑りやすくなります。しかし、そのような道を速度を落とすことなく全開で走るのですからとてもスリリングです。スーパーSSではエンジンに小さな問題が発生しましたが、エンジニアは明日のスタートまでにきっと問題を解決してくれることでしょう。関連:【WRC】 ラリー・ポーランド:エルフィン・エバンスが初日の首位
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