3月12日(日)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦ラリー・メキシコの競技最終日となるデイ4がレオンを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)が総合6 位でフィニッシュ。ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC #11号車)も総合7位で完走し、今シーズン初めて2台のクルーが揃って10位以内に入り、ポイントを獲得した。
ラリー最終日はサービスパークが置かれるレオンの東側エリアで、2本計54.90kmのSSが用意された。そして、最終ステージのSS19はトップ5のタイムを記録したクルーに対しボーナスのポイントが与えられるパワーステージに設定された。TOYOTA GAZOO Racing WRTのハンニネンは、7位ラトバラに0.3秒差の6位で最終日をスタート。しかし体調が優れなかったこともあり、最初のSS18でラトバラに逆転を許し7位に後退。ラトバラは6位に浮上し、そのままの順位で最終ステージのSS19を走りきった。この結果、今季初めて2台揃ってトップ10内でフィニッシュし、ドライバーズポイントと、コ・ドライバーズポイントを獲得。ラトバラ/アンティラ組は順位をひとつ落としながらも選手権2位につけ、ハンニネン/リンドストローム組は11位となった。また、TOYOTA GAZOO Racing WRTは、マニュファクチャラーズ選手権で2位のポジションを堅持した。 今回のラリーではメキシコの特徴である高い気温と、高い標高というふたつの要素が組み合わさった結果、競技2日目にはチームはエンジン温度の上昇という難題に直面した。しかしスタッフ全員の努力と貢献により、競技3日目以降問題は解決し、最終日には選手たちが心から満足できる状態までヤリスWRCを進化させることに成功。タフなコンディションのラリーを走破したことで、TOYOTA GAZOO Racing WRTはさらに多くの事を学び、将来に向けて貴重な経験を蓄積した。 WRC次戦は、4月6日から9日にかけてフランスのコルシカ島で行なわれる第4戦ツール・ド・コルス。コルシカ島の島全体が舞台となるこの伝統の1戦は、シーズン最初の完全なターマックラリーである。コルシカ島のツイスティな舗装路は平均速度こそ比較的低いが、ミスに対しては寛容ではなく、選手たちは正確なマシン操作を求められる。4月のコルシカ島は天候変化が読みにくいため、選手とチームはあらゆるコンディションに対応できるように、入念な準備を行う必要がある。 トミ・マキネン(チーム代表) モンテカルロ、スウェーデンと開幕から2戦連続で素晴らしい結果になりましたが、今回のメキシコは、我々が今年直面するであろうと事前に予想していたような結果になりました。しかし、難しい状況を乗り越え、ふたりのドライバーが初めて同時にドライバーズポイントを獲得したことに満足しています。今回の結果、そして我々にとって初めてのグラベルラリー参戦から多くの情報を得られた事を嬉しく思います。今回我々が学んだことは、将来必ず役に立つでしょう。今回は非常にトリッキーなラリーだったにも関わらず、2台のクルマを完走に導いたドライバー、コ・ドライバー、エンジニア、そしてメカニックの貢献に心から感謝します。 嵯峨宏英(チーム副代表) 前戦スウェーデンでは素晴らしい結果を残すことができましたが、気温と標高の高いメキシコ戦は、これまでとは違う試練を我々に与えるであろうと予想していました。事前に想定テストを行ない、万全の準備をして臨んだものの、我々の予想を超える試練が待っており、とても厳しい戦いとなりました。競技2日目には、オーバーヒートに苦しみましたが、エンジニア・メカニック一丸となって、限られた時間の中で対策を施し、最終日のSSでは、それらの対策が効果的であったことを確認できました。そして、クルー達がゴールまで無事にそのクルマを走らせ続けてくれました。こうした一つ一つの経験が、ヒトを鍛え、クルマを強くしてくれるのだと思います。今回も、学びの大変多いラリーとなりました。ラリーは、お客様が普段使っている道が舞台です。その道で、全力を尽くし、極限の状態でクルマを学ぶことが「もっといいクルマづくり」に繋がっていくと改めて強く感じます。この4日間、現場でチームの皆と過ごす中で、多くの地元のファンの方に暖かい声援を頂き、とても嬉しく思います。また、日本からも心温まる応援メッセージをいただきました。ファンの皆様に感謝いたします。次戦も、応援をよろしくお願い致します。 ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC#10号車) ラリー・メキシコでは5位以内に入ることが目標でした。1つ及ばず6位という結果でしたが、今回我々が序盤に直面した困難は予想を超えたものでしたし、またパワーステージでボーナスポイントを獲得できたので、嬉しく思います。そして、ドライバーズとマニュファクチャラーズの両選手権では、依然良いポジションにつけています。今日は最初のSSの滑りやすいセクションでスピンし10秒を失ってしまいましたが、それまでは今回のラリーで最高のフィーリングでした。あのスピンがなければかなり良いタイムを記録することができたと思いますが、重要なのは最後に満足できる状態にまでクルマを持っていけたことです。4日間の戦いを通して、我々は一段と成長することができたと思います。 ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC#11号車) 体調不良により、私にとってはスタートからフィニッシュまで辛いラリーでしたが、今シーズン初めてリタイアすることなく、10位以内で走り切り、ポイントを獲得することができたことを嬉しく思います。ヤリ-マティを0.3秒リードして最終日を迎えたのは良い経験でしたが、彼のほうが速く、残念ながらリードを守ることができませんでした。ラリー・メキシコで今回我々が体験した事は、自分たちとチームの将来にとって大きなプラスになるでしょう。また、このラリーでは今年初めて木に当たらずに最後まで走ることができ、この年齢になっても自分がまだ成長し、多くを学んでいると実感することができました。【WRC】 ラリー・メキシコ 結果:クリス・ミークが優勝
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