FIA 世界耐久選手権 (WEC)第8戦・上海6時間レースの公式予選が11月4日(土)に行われ、TS050 HYBRID #7号車がポールポジションを獲得。TOYOTA GAZOO Racingとしては今シーズン4度目のポールポジションとなった。午前11時に始まった公式練習3回目は、セッションが開始されるといきなりTS050 HYBRID #7号車の小林可夢偉が1分44秒888のベストタイムを記録、前日からの好調なペースを維持してライバルに差を付けた。
2番手も#8号車のセバスチャン・ブエミ。#7号車から0秒278遅れの1分45秒166をマークした。この公式練習3回目では、途中2度のフルコースイエローが提示された。2度目のフルコースイエローはセッションの残り20分で提示され、途中から赤旗に切り換えられ、セッションはそのまま中止になった。理由はコーナー内側の縁石奥にあるコンクリート路面が剥がれ、破片がコース上に散乱したため。破損個所の修復に時間がかかるとみて主催者はセッションを打ち切った。この時、#8号車のアンソニー・デビッドソンは、新品タイヤでの予選のシミュレーションを行おうとしていたが、早めのセッション終了により走行出来なかった。この日は前日より気温が低く、午後2時現在で摂氏16度。午後2時半から始まる公式予選に向け、各チームはギリギリまでタイヤをウォーマーで暖め、TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDも、マイク・コンウェイの乗る#7号車、セバスチャン・ブエミの#8号車は、セッション開始まで待ってタイヤを装着してコースインした。20分間の公式予選セッションでは、#7号車が見事ポールポジションを獲得。まずコンウェイが1分43秒139のタイムを記録、次に交替した小林可夢偉が1分42秒526のスーパーラップを叩き出して2人のアベレージタイムを1分42秒832とし、TOYOTA GAZOO Racingにとって今季4度目のポールポジションを獲得した。この結果、貴重な選手権ポイント1点を獲得した。#8号車のブエミは、1分43秒470とタイムを伸ばすことが出来ず、替わったアンソニー・デビッドソンが1分43秒421とタイムを縮めたが、2人のアベレージタイムは1分43秒445で、グリッド3番手だった。決勝レースは明日11月5日(日)の現地時間午前11時(日本時間正午)にスタートを切る。グリッド最前列と2列目にトヨタとライバルが1台ずつ並び、再び激戦が予想される。TOYOTA GAZOO Racingはここ上海国際サーキットで2012年、2014年と2勝を挙げており、その記録を3勝へと伸ばすべく、今季4勝目を狙う。TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)公式練習第3回目: 1番手 (1分44秒888), 18周公式予選: 1番手 (平均1分42秒832)TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)公式練習第3回目: 2番手 (1分45秒166), 19周公式予選: 3番手 (平均1分43秒445)小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車):完璧なアタックラップではありませんでしたが、それでもポールポジションを獲得出来たことを喜んでいます。新品タイヤでの走りに違和感があったので、予選では使いませんでした。全体的に見ればTS050 HYBRIDの仕上がりは良いですし、決勝レースへ向け100%の自信を持って臨むことが出来ます。この週末、ここまでとても好調に来ていて、チームも素晴らしい仕事をしてくれています。マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #7号車):今大会、ここまで全てのセッションでトップにつけられているというのは本当に嬉しいです。私自身のアタックラップは満足行くものでしたが、路面グリップが良かったので、もう少しタイムを縮められるかもと思いましたが、可夢偉が見事その期待に応えてくれました。ポールポジションからスタート出来るのは素晴らしく、ゴールまでそのポジションを守れるように頑張ります。セバスチャン・ブエミ (TS050 HYBRID #8号車):もっと良いタイムを出せたはずでしたので、今日の予選の結果は残念です。アタックラップに入る直前の最終コーナーでハイブリッド・パワーをフルに使うことが出来ませんでした。素晴らしい走りでポールポジションを獲得した#7号車を祝福します。あとは決勝レースで全力を尽くすだけです。アンソニー・デビッドソン (TS050 HYBRID #8号車):3番手というポジションは少しがっかりで、もう少し上を狙えるだけのポテンシャルはあったはずです。午前中の公式練習3回目が赤旗中断により短くなってしまったことが響いたかもしれません。昨日の夜にセッティングを大きく変更したため、それに順応するための時間が必要でした。可夢偉がポールポジションを決めたアタックラップは本当に素晴らしいもので、明日の決勝レースへ向けて、我々のTS050 HYBRIDの速さを示してくれました。
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