トヨタはこの週末、2台のTS050 HYBRIDをもってホームコースの富士スピードウェイでFIA世界耐久選手権(WEC)第7戦富士6時間レースに参戦する。 2016年シーズン第7戦の舞台、富士スピードウェイは、トヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)の開発拠点であるトヨタ自動車東富士技術研究所から僅かな距離に位置するTOYOTA GAZOO Racingのホームコースだ。
TOYOTA GAZOO Racingは前戦、米国テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)6時間レースで僅差のトップ争いを展開した結果、3位表彰台を獲得したが、ホームコースの富士スピードウェイでは表彰台の中央を目指す。 小林可夢偉とステファン・サラザン、マイク・コンウェイの3名がドライブするTS050 HYBRID #6号車は、COTA6時間レースでライバル勢と三つ巴の優勝争いを展開。富士6時間レースでは僅差で争っているドライバーズランキング2位の座奪還に向けて全力で戦うと意気盛んだ。 今季不運が続いている#5号車の中嶋一貴とアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミの3名だが、2012〜14年に打ち立てた3勝の記録を更新すべく万全の準備に怠りない。 TOYOTA GAZOO Racingにとって、富士スピードウェイは2012年から2014年まで3年連続優勝を飾るなど、WECの中で最も好成績を残してきたコースだ。今季これまでの6戦中4回の表彰台フィニッシュを果たしているTOYOTA GAZOO Racingにとって、この週末、表彰台の頂点獲得こそが最大の目標になる。 富士スピードウェイは、現行のWECシリーズを初めて開催したのは2012年だが、スポーツカーレースにおいては、長い歴史を持っている。初の1000kmレースは1967年。この霊峰富士山の麓に位置するコースで、トヨタ2000GTやトヨタ7といった伝説的な名車が多くの勝利を重ねてきた。 東京都心からおよそ110kmの富士スピードウェイは、1965年にオープン。当初はオーバルコースのような傾斜のきついバンクの第1コーナーを持つレイアウトだったが、その後改修されてバンクは廃止、一周の距離も70年代中盤までに以前の3分の2ほどとなった。 現在のレイアウトで最も特徴的なのは、WECが開催されるコースの中で、ル・マンのユーノディエールに次ぐ長さを誇る、1.475kmのロングストレート。一方、コースの後半セクターは曲がりくねったテクニカルレイアウトとなっており、長いストレートとの組み合わせは、エンジニアやドライバー達にとって、セットアップの最良の妥協点を探し出す困難な課題となる。レースウィークは14日(金)、90分間の公式練習走行が午前と午後1回ずつ、計2回行われ、15日(土)は午前中1時間の公式練習に続き、LM P1クラスは午後2時30分から20分間の予選が行われて決勝のスターティンググリッドが決定される。16日(日)午前11時に決勝レースのスタートが切られ、午後5時に6時間にわたるレースのチェッカーを迎える。 佐藤俊男 (TOYOTA GAZOO Racingチーム代表)富士スピードウェイでのレースは、ホームイベントであり、チームにとってはシーズンの中でも非常に重要な一戦です。熱心な日本のファンの皆様とお会いできることは素晴らしいことであり、トヨタに対して多くの応援を頂けることを有難く思います。第5戦メキシコ、第6戦COTAでは性能を向上させたTS050 HYBRIDの超ハイダウンフォースパッケージの競争力をお見せすることが出来ました。今週末の富士でも再び接戦のレースをご覧頂けるものと思っています。また、富士では、TS050 HYBRIDのパワートレーンの開発と供給を行っている東富士研究所のスタッフから特別なサポートを受けることが出来ます。TOYOTA GAZOO Racingチームとして総力を挙げ、これまで以上の力強いレースをお見せするべく、チームの士気は高まっています。 中嶋一貴 (TS050 HYBRID #5号車)ホームコースに戻って来るのはいつでも嬉しいものです。例年、多くのファンの皆様が応援に来てくれますし、最高の雰囲気です。我々は再び上位争いをすべくハードワークを続けます。タイトル争いの面で考えると、我々は何も失うものはありません。全力でレースを戦い、日本のファンの皆様の前で表彰台に上れるようにベストを尽くします。 アンソニー・デビッドソン (TS050 HYBRID #5号車)富士のレースを本当に楽しみにしています。コース自体も好きですし、トヨタのホームレースということには特別な思いがあります。毎年多くのファンの方々にご来場頂けるので、皆様の応援に応えるためにも力強い走りをお見せしたいと思っています。そして今度こそ我々の#5号車に運が向いて来ることを願っています。日本のファンの皆様の前で再び表彰台を獲得出来れば最高です。 セバスチャン・ブエミ (TS050 HYBRID #5号車)富士で再びレースが戦えることを嬉しく思います。我々にとってのホームレースですし、過去4戦で3勝しています。また勝利を目指して戦えるチャンスが来ることを祈っています。力強い走りをご覧頂けると思っていますし、今回こそ幸運に恵まれるよう願っています。トヨタ関係者の方々やファンの皆様と共に、素晴らしい雰囲気の中でレースが戦えることを楽しみにしています。 小林可夢偉 (TS050 HYBRID #6号車)このレースは、自身にとってはトヨタのワークスドライバーとしての日本での初レースになり、素晴らしい経験になると思っています。富士スピードウェイでは今年、既にスーパーフォーミュラでレースを戦っていますが、LM P1車両で初めて富士を走るのを楽しみにしています。ライバルとは僅差の戦いをしていることで、モチベーションは高く、もちろん、ホームレースですので全力で好結果を狙います。 ステファン・サラザン (TS050 HYBRID #6号車)ここまでの2戦、TS050 HYBRID #6号車での戦いはとても良い結果となり、特に前戦オースティンでは勝利まであと僅かのところでした。それだけに富士での目標は明確で、再び力強い走りによって勝利を目指して戦うことだけです。ホームレースであり、たくさんの応援も頂く中で、富士ではいつも勝つためにレースに臨んでいます。コースレイアウトもオースティン以上に我々の車両に向いているので、良いレースが戦えると確信しています。 マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #6号車)日本のファンの皆様はとても素晴らしいく、富士は私にとって大好きなレースのひとつです。トヨタのドライバーとして日本でレースを戦うというのは素晴らしいことです。この週末に向けても我々は気力が充実しています。車両は第4戦ニュルブルクリ...
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