トヨタ・レーシングとTS030 HYBRIDは、WEC第4戦シルバーストン6時間レースの公式予選で3番手を確保、明日の決勝レースをグリッド2列目からスタートする。公式予選を前に、午前11時から1時間行われた公式練習3回目は、ニコラス・ラピエールと中嶋一貴がステアリングを握った。公式練習3回目の終了間近にニコラス・ラピエールがGTクラスの遅い車と接触、その結果、パンクとリアにダメージを負ったが、予選前に修復は完了した。
午後3時20分から20分間行われたLMP1及びLMP2クラスの公式予選で、TS030 HYBRIDのステアリングを握ったのはニコラス・ラピエール。コースは午後早くに降った雨の影響で、ウェットとドライが混在する難しいコンディション。チームメイトのアレックス・ブルツと中嶋一貴が見守る中、ニコラス・ラピエールは、ミシュランのインターミディエイトタイヤを装着してタイムアタック。乾き始めた路面でスリックタイヤに交換する直前に、1周のタイムアタックを行い、見事にトップタイムを叩き出した。その後も、ラップタイムを順調に短縮したニコラス・ラピエールであったが、公式予選最後の数分でライバルと激しいタイムアタック合戦を繰り広げ、惜しくも僅差の3番手で公式予選は終えた。その結果、トヨタ・レーシングにとってのWEC2戦目は、グリッド2列目から首位争いへと挑むこととなった。 明日日曜日の決勝は、午前8時55分から20分間のウォームアップ走行に続き、正午に6時間レースの決勝がローリングスタートで開始される。 木下美明 トヨタ・レーシング チーム代表: 不運にも午前中の公式練習3回目に遭遇した他車との接触で、少ない搭載燃料とニュータイヤでの理想的なセットアップのチャンスを失ってしまった。その影響で、厳しい予選となり、本来のTS030 HYBRIDの実力が発揮出来なかった。しかし、公式予選の早い時期にスリックタイヤに変更したことで、ニコラス・ラピエールは他車に行く手を阻まれる難しいコースコンディションにもかかわらず素晴らしい仕事をしてくれた。グリッド最前列に並べなくて残念だが、決勝レースでは、初めての表彰台を目指して全力で戦う。 ニコラス・ラピエール:公式練習の開始から、公式予選終了までの間に我々は、大きく進歩することが出来た。午前中のパンクで、新しい空力パッケージへの理解を深めるための走行時間が削られてしまった。しかし、チームのセットアップは正しく、今では空力バランスも改善され、高速コーナーにおけるハンドリングもずっと良くなっている。レースコンディションにおけるTS030 HYBRIDの状態は予選よりは良くなるはずだ。決勝レースへの目標は、まず完走すること、そして表彰台に上がることだ。
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