8月6日(土)、7日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイでSUPER GT 第5戦「FUJI GT 300km RACE」が開催される。前戦SUGOから僅か2週間のインターバル、そして3週間後には鈴鹿1000kmが待つ「真夏の3連戦」は2戦目を迎えた。前戦SUGOでは、終盤、4台のLEXUS RC F勢による怒濤の追い上げで逆転が期待されたが、他車のクラッシュによる赤旗でレースは短縮終了、猛追劇は水を差される形となってしまった。
LEXUSチームのホームコースである富士だが、昨年の夏大会は立川 祐路/石浦 宏明組 ZENT CERUMO RC F 38号車が2位、今年のGWに行われた第2戦でもヘイキ・コバライネン/平手 晃平組 DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車が2位。また、今季これまでの3戦もLEXUS RC Fは全レース2位と、惜しくも勝利に届かない戦いが続いている。LEXUSチームはこの悔しさをバネに、「ホーム」富士での勝利を目指す。ロングストレートが特徴の国際コース1966年に開設され、60年代から70年代にかけて日本グランプリを開催するなど長い歴史を持つ富士スピードウェイ。2005年にリニューアルオープンし、2007年、2008年にはF1日本グランプリを開催。2012年からは世界耐久選手権(WEC)の1戦に加わるなど、日本を代表するサーキットである。約1.5kmもの長いストレートが特徴だが、後半には中低速コーナーの連続するテクニカルなセクションもあり、セッティングの難しいコースだ。このロングストレートや序盤の高速コーナーを含む高速セクションと、後半の低速セクションの妥協点をどこに置くかがセッティングのポイント。ストレートエンドでの最高速や、セクター毎のタイムの違いなどから、チーム毎のセッティングの違いを探すのも富士での楽しみ方と言える。 昨年から今年にかけトイレや観戦席の改修があり、カップルや家族連れでも安心してレースを楽しめる。首都圏から近く、観光地も満載首都圏から比較的近く、アクセスは容易。自家用車であれば、東名高速道路の御殿場インターチェンジや東富士五湖道路の須走インターチェンジが近い。公共交通機関ではJR御殿場線の御殿場駅もしくは駿河小山駅から富士急行バスもしくはタクシーでのアクセスとなる。また、東名御殿場まで高速バスも利用可能。宿泊については、御殿場周辺に数多くの施設がある他、ちょっと足を伸ばせば箱根や山中湖などのリゾート地も候補に入るだろう。富士山周辺、富士五湖や箱根といったメジャーな観光地が近く、温泉や富士サファリパーク、御殿場プレミアムアウトレットや富士急ハイランドなどとの観光と組み合わせたプランも楽しめる。ただし、メジャーな観光地の多い立地故に、行き帰りの渋滞は慢性的であり、渋滞対策を十分にしておきたい。暑さとハンデの厳しいレースでLEXUS RC Fの活躍に期待今季2度目の開催となる富士。500kmとして行われた春の第2戦では、後半、2位を走行していた38号車がまさかの燃料切れに見舞われリタイア。39号車が2位、9番手スタートから追い上げたジェームス・ロシター/平川 亮組 KeePer TOM'S RC F 37号車が3位となった。今大会はやや短い300kmレース。ピットは1回で済むことになると思われるが、前戦SUGOが予想外に温度の上がらないレースだったこともあり、今年初めて猛暑の中での戦いとなる可能性が高い。エンジンやブレーキ、ドライバーの暑さ対策や、タイヤ選択も重要になってくるだろう。また、ここまで3戦を終えたことで、ウェイトハンデも更に厳しさを増した。昨年までは50kgを超えた場合は出力制限で対応されていたが、今季からはフルにウェイトハンデを搭載することとなった。3戦中2度の表彰台でランキング2位、3位につける39号車と37号車は、共に60kg以上のウェイトを搭載することとなり、今大会は確実にポイントを稼ぎたいところだ。逆に、ここまで不運なレースでウェイトハンデの少ない伊藤 大輔/ニック・キャシディ組 au TOM'S RC F 36号車、そして前戦ファイティングスピリッツ溢れる走りで観客を魅了した関口 雄飛/国本 雄資組 WedsSport ADVAN RC F 19号車にとってはチャンスでもあり、その活躍に期待したい。ウェイトハンデはやや重めながら、前戦最後にあわや逆転勝利かと思わせる走りを見せた38号車、ポールポジション獲得から、スタート直後に最後尾近くまで後退するも追い上げ4位フィニッシュを果たした大嶋 和也/アンドレア・カルダレッリ組 WAKO'S 4CR RC F 6号車も好調ぶりを発揮してくれるはずだ。GT300クラスでは、嵯峨宏紀/中山雄一組のTOYOTA PRIUS apr GT 31号車が前戦SUGOで待望の今季初勝利。今大会よりGT300クラスのプリウスを含むJAF-GT車両には新たな性能調整が加えられることとなり、重めのウェイトハンデと相まって苦戦も予想されるが、2013年にプリウスにとっての初勝利を飾った「ホーム」富士での活躍に注目だ。