トヨタの2台のTS040 HYBRIDは、第83回ル・マン24時間レースを6位と8位で終え、過酷なレースを戦い抜く信頼性を証明すると共に、優れた高速性能を披露した。6位に入ったのはアレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの#2号車。アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴の#1号車は8位だった。
トヨタ自動車は「この厳しい24時間レースを勝ち抜いた1位、2位のポルシェ、3位のアウディに賞賛の拍手を送りたいと思います」とコメント。ル・マン24時間レースでの勝利を渇望していたトヨタは、この成績には不満を覚えているが、来年のル・マン24時間レース制覇に向けて、TS040 HYBRIDの全領域における改良を約束している。レースにおける2台のTS040 HYBRIDはコンスタントな走りが出来る性能を証明したが、ライバルのペースには届かなかった。2014年に比べ、1周のラップタイムが大きく向上した今年のレースでは、レースモードでのラップタイムを1秒短縮しただけでは戦いには不十分で、上位争いに加わることは出来なかった。レースが5時間目に入った頃、アンソニー・デビッドソンの操る#1号車が遭遇したアクシデントが、トヨタ唯一の躓きでした。GTカーと接触してフロントカウルを壊し、その後ハンドリングに問題が生じた。その結果、#1号車はガードレールに接触し、左後輪のサスペンションにダメージを負った。緊急ピットインで13分かけて前後のボディカウルと壊れたサスペンションを交換、5周遅れでレースに復帰した。このアクシデント以外では大きな問題は生じなかったが、先頭集団に追いつけなかったことが一番大きなフラストレーションになった。加えて、20時間に渡るドライコンディションでのレースは、奇を衒った作戦を許さず、コンスタントで高い信頼性、そしてミスのないピット作業が求められた。24時間の休みない戦いは、ピットクルーに大きな肉体的負担をかけたが、彼らはそれを見事に克服した。レースが21時間を過ぎた頃、サルト・サーキットは小雨に濡れたが、レース展開に影響を及ぼすほどのものではなかった。この時点では2台のTS040 HYBRIDは7位、8位を走行していましたが、終盤の#9アウディの後退で、#2号車が6位に上がることが出来た。チェッカーフラッグを受けたドライバーは、#2号車がブルツ、#1号車がブエミだった。成績は不満の残るものでしたが、2台共に以前のル・マンでトヨタ車が走破した距離を超えている。佐藤俊男 チーム代表最初に、素晴らしい戦闘力で見事に目標達成を果たしたポルシェを祝福したいと思います。結局、我々のTS040 HYBRIDは、今年のル・マンで表彰台を勝ち取るだけの十分な速さを示せませんでした。懸命に、予選でのライバルとのギャップを埋めて来ましたが、まだ互角に戦うまでに至らなかったのが残念です。この結果に満足することは到底出来ませんが、チームが一丸となったプロとしての働きぶりと献身的な頑張りには非常に感謝しています。厳しい道のりでしたが、我々は決して諦めませんでした。レース序盤の#1号車の接触はさておき、大きなミスも無く、TS040 HYBRIDも良く走ってくれました。さらに強くなったトヨタとして、2016年のル・マンに戻ってこられるよう、これから準備を始めます。TS040 HYBRID #1号車(アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴)17時間経過時点(セバスチャン・ブエミ): 8位 267周18時間経過時点(セバスチャン・ブエミ): 8位 283周19時間経過時点(アンソニー・デビッドソン): 8位 300周20時間経過時点(アンソニー・デビッドソン): 8位 316周21時間経過時点(中嶋一貴): 8位 333周22時間経過時点(中嶋一貴): 8位 353周23時間経過時点(セバスチャン・ブエミ): 8位 368周最終結果 8位(首位と9周差)、386周、ピットストップ29回、最速ラップ3分20秒896グリッド:8番手アンソニー・デビッドソン今年のル・マンで表彰台に登れなかったのは非常に残念です。とても強力なライバルに直面し、これまで以上に厳しい戦いになるだろうことは分かっていました。しかし、ライバルは想像以上に強力でした。我々は一丸となって強さを取り戻さなくてはなりません。今年のことは忘れて、我々はもう来年のル・マンについて考えています。セバスチャン・ブエミレース全体の内容と結果には本当に失望しています。我々には高い信頼性があり、技術的な問題は起こりませんでした。ピットクルーも、アクシデントの後に迅速にコースに戻してくれるなど、素晴らしい仕事をしてくれました。最終的に、我々の結果は私たちのペースに値するものだったと思います。勝利に値するレースを戦ったポルシェを祝福します。中嶋一貴TOYOTA GAZOO Racingにとって厳しいレースでした。容易いル・マンなど想像さえ出来ませんが、今日のポルシェを見ていると簡単だと勘違いさえするかもしれません。しかし、実際は非常に難しいレースです。我々の#1号車はセットアップが決まっており、我々なりに満足のいくレースが出来たと思います。ただ、スピードは足りませんでした。しかし、チームの結束力とやる気は非常に強く、レース終了までまったく手を抜くことなく戦いました。この気持ちは重要です。厳しかった今年のル・マンですが、来年に向けての再出発のスタート地点です。もう、やるしかありません。TS040 HYBRID #2号車(アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)17時間経過時点(アレックス・ブルツ): 7位 269周18時間経過時点(アレックス・ブルツ): 7位 285周19時間経過時点(ステファン・サラザン): 7位 302周20時間経過時点(ステファン・サラザン): 7位 318周21時間経過時点(マイク・コンウェイ): 7位 335周22時間経過時点(マイク・コンウェイ): 6位 351周23時間経過時点(マイク・コンウェイ): 6位 370周最終結果 6位(首位と8周差)、387周、ピットストップ30回、最速ラップ3分22秒633グリッド:7番手アレックス・ブルツ我々がレース中にピットへ入ったのは燃料補給とタイヤ交換だけで、他にはまったく問題はありませんでした。しかし、優勝車から6周も遅れているのですから、性能は明らかに劣っていたということです。何をどう改良して行けば良いかは明確に分かっており、来年のル・マンまでには丸まる1年あります。レースの流れに関しては残念としか言いようがありませんが、我々は#2号車に関して出来ることに集中して仕事をし、その点に関して...
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