TOYOTA GAZOO Racing Europe(TGR-E)の副社長を務める中嶋一貴が、2026年のル・マン24時間レースで7号車GR010 HYBRIDが総合優勝を果たしたことを受け、チーム公式サイトを通じてメッセージを発表した。中嶋一貴は、ドライバーやチームスタッフだけでなく、ライバルチームや大会関係者、そしてファンへの感謝を述べるとともに、今回の勝利を「人の力で勝ち取った勝利」と表現。
さらに、TOYOTA RACINGが掲げる新たな哲学「For the Engineering Race」についても語り、その意義を強調した。「誰も諦めなかった」4年ぶりのル・マン制覇7号車のマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ニック・デ・フリース組は、予選14番手から追い上げ、2022年以来4年ぶりとなるル・マン24時間レース総合優勝を達成した。中嶋一貴は厳しい戦いだったことを振り返りながら、チーム全員の努力を称賛した。「今年のル・マンは決して楽なレースではありませんでした。予選は14位と15位。決して有利な位置からのスタートではありませんでした」「そこから仲間たちは知恵を出し合い、勇気を持って決断し、一歩ずつ前へ進みました。苦しい場面もありました。流れを失うこともありました。思いどおりにならないこともありました。それでも誰も諦めませんでした」また、中嶋一貴は今回の勝利が単なる速さだけによるものではないと強調した。「エンジニアは知恵を絞り続けました。メカニックは最後までクルマを信じ続けました。ドライバーは限界のその先まで挑戦し続けました。そしてチーム全員が、お互いを支えながら24時間を戦い抜きました」「今日の勝利は、速さだけで勝ち取ったものではありません。人の力で勝ち取った勝利です」「勝ったのは7号車だけではない」中嶋一貴は今回の勝利について、総合優勝を果たした7号車だけでなく、3位表彰台を獲得した8号車や、それを支えた全てのスタッフによる成果だと語った。「そして今日、優勝したのは7号車ですが、勝ったのは1台ではありません」「7号車と8号車。そして2台のTR010 HYBRIDを支えたすべての仲間たちです」「ドライバー。エンジニア。メカニック。スタッフ。誰ひとり欠けても、この結果はありませんでした」「私は、この勝利はTOYOTA RACING全員で勝ち取った勝利だと思っています」さらにBMW、キャデラック、フェラーリなど最後まで優勝を争ったライバル勢にも敬意を表した。「BMW、キャデラック、フェラーリをはじめ、最後まで本気で戦ってくださったライバルの皆様。皆さんがいたからこそ、この勝利には価値があります」新たな哲学『For the Engineering Race』中嶋一貴はメッセージの後半で、TOYOTA RACINGが掲げる新たなフィロソフィーについても言及した。「GRが『もっといいクルマづくり』を追い続けるなら、私たちTOYOTA RACINGは、もっといい技術をつくりたい。もっといいパワートレーンをつくりたい」「もっと速く。もっと強く。もっと効率よく。限界のその先を目指したい」その上で、ル・マンを単なるレースではなく技術開発の最前線と位置付けた。「ル・マンはレースです。でも私たちにとっては、それ以上に技術開発の最前線です」「エンジン。ハイブリッド。燃料。ソフトウェア。制御。空力。そして人づくり。そのすべてが競争です。そのすべてが挑戦です」そして、その思想を象徴する言葉として次のメッセージを掲げた。「だから私たちTOYOTA RACINGは、新しいフィロソフィーとして、『For the Engineering Race』という言葉を掲げています」「レースのために技術を磨く。技術のためにレースをする。勝利のためだけではなく、技術者たちが世界一を目指せる舞台としてレースに挑む。それがTOYOTA RACINGです」モリゾウ会長へのメッセージも最後に中嶋一貴は、東京オートサロンで豊田章男会長(モリゾウ)と交わしたやり取りにも触れた。「今日は約束どおり、TOYOTA RACINGがル・マンで勝利しました」「残念ながら、トロフィーはまだフランスにあります。ですので今日のところは、オートサロンで宣言したように『叩きつける』ことができません。でも、必ず日本へ持ち帰ります。覚悟しておいてください」その一方で、本当に見てもらいたいものは優勝トロフィーではないと語る。「あなたが育てた仲間たちが、自分たちで考え、自分たちで決断し、自分たちで挑戦し、自分たちで勝てるチームになったことです」そして最後は、TOYOTA RACINGの未来への期待を込めてメッセージを締めくくった。「私たちが日本へ持ち帰るのは、優勝トロフィーだけではありません。TR010 HYBRIDに込めた技術者たちの意地です。現場で汗を流した仲間たちの挑戦です。そしてTOYOTA RACINGという新しいチームの可能性です」「そのすべてを持って、あなたに報告に行きます。その時は、ぜひ受け取ってください」【関連】・ル・マン24時間:トヨタが4年ぶり総合優勝 小林可夢偉組7号車が悲願達成
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