トヨタ自動車の内山田竹志会長が、2017年 WEC 第3戦 ル・マン24時間レース後にコメントを発表した。内山田竹志会長は、世界初の量産ハイブリッドカー「プリウス」の開発者で“プリウスの生みの親”“ハイブリッドの父”と称さる人物。今年もル・マンの現場でトヨタの戦いを見守った。トヨタは7号車と9号車がリタイアするも、序盤にトラブルに見舞われた8号車が挽回し、9周遅れの総合9位でレースを完走した。
「8号車の“闘志”や“諦めない気持ち”は、私たちに残された大事なパーツ」TOYOTA GAZOO Racingのル・マンでの戦いに大きな期待を寄せ、熱い熱い声援を送っていただいたファンの皆さまに感謝の気持ちと、申し訳ない気持ちの両方で今、私は満たされています。皆さま、本当にありがとうございました。そして、期待に応えられず申し訳ありませんでした。昨年の走り切れなかった3分を取り戻そうという気持ちは我々だけでなく、ファンの皆さまも同じだったものと思います。私自身、何度も、このル・マンの地に来ていますが、レースが始まる前から「トヨタ!トヨタ!」という声が、これほどまでに聞こえたことはありませんでした。そして、夜遅くなり、我々が1台だけの戦いとなってからも、トヨタのピットの向かい側には多くのファンが残ってくださっており、旗を振り続け、声援を送り続けてくださいました。おそらく、日本でも、画面の前で同じようにしていただけていた方が沢山いらっしゃると思います。その皆さまとゴールの瞬間を笑顔で迎えたいと、この1年間、それだけを考え、エンジニア、メカニック、そしてサプライヤーの皆さまが心をひとつに、ワンチームになって努力を重ねてまいりました。しかし、それが果たせなかったこと、本当に悔しく思います。準備をどれだけ重ねても、レースでは、やはり想像しえないことが起こります。7号車、8号車、9号車に起きたそれぞれの不具合やトラブル…残念ですが、私たちには、まだまだ足りないものが残されていました。しかし、1台だけになっても、少しでも長く距離を走ろうとプッシュし続けた8号車の“闘志”や“諦めない気持ち”は、私たちに残された大事なパーツです。“諦めない気持ち”で、足りなかったものを、再び探し集め、また来年、この場に戻ってまいります。もう一度、我々にご声援を送っていただければと思います。応援いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
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