トヨタ TF109は、正攻法なアプローチで空力処理を施してきたように思える。シャシーは、パスカル・バセロンによって設計され、マーク・ギランが初めてエアロダイナミクスをまとめたTF109は、規制の多い新しいレギュレーションを均整のとれた美しいデザインで対応している。両方エンジニアは、TF109の開発において、メカニカル面とエアロ面の両方で安定性を目指した。
フロントウイングは、3次元曲線で外側へ向けて湾曲するエンドプレートが特徴的。フロントホイール周りの気流を整えてダウンフォースを稼ぐ意図が見てとれる。スリムで高い位置に設定されたノーズも印象的。先に発表されたフェラーリ F60とは異なり、先端を可能な限り短く設定されている。 ノーズコーン下部は多くのスペースが設けられ、コクピット下に規定で許されるギリギリのサイズの小さなバージボードへ向け、気流を送りこんでいる。サイドポットのショルダー部分には、フェラーリと比べると小さくシンプルなポッドウイングが装着される。サイドポットの下部は大胆にえぐられており、コークボトル形状に絞り込まれたマシン後方への気流の流れを作り出している。 エギゾーストパイプは、剥き出しにしたフェラーリ F60とは異なり、エンジンカバーの下にパイプが落し込まれている。フロントホイールには、TF108同様、前側に開口部を設けたフェアリングが使用されている。リアホイールには、新しい種類のフェアリングが採用された。 リアからの画像は公開されていないが、リアウイングをはじめ現段階ではシンプルな構成がとられており、テスト継続中に進化していくことが予想される。主要諸元表:トヨタ TF109
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