トヨタは、F1シンガポーツGP初日のフリー走行で、ティモ・グロックが10番手、ヤルノ・トゥルーリは19番手だった。ドライコンディションでスタートした公式練習第1回目では、ティモ・グロックが13番手、ヤルノ・トゥルーリが19番手のタイムを出した。公式練習2回目、ティモ・グロックは、順調にコースと夜間走行への順応、タイヤとセットアップの作業を行っていたが、終盤にスピン。ノーズにダメージを負い、最終的に10番手でセッションを終えた。
一方ヤルノ・トゥルーリはセットアップとタイヤの比較を行い、第2回目は19番手でセッションを終えた。なおヤルノ・トゥルーリは、第1回目でスピンした後にピット・レーン入り口の白線をまたいだために、ペナルティーを受けることになった。ティモ・グロックフリー走行1回目 13番手 1分47秒706フリー走行2回目 10番手 1分47秒046「今日は自分にとって、両方とも難しいセッションだった。コースはかなりバンピーだし、今の時点で、クルマはかなり扱いにくい状態だよ。照明の中でドライビングするのは、普通はない経験だし、コース全体も少し変わってるね。公式練習第2回目の終わりで、縁石に当てたときにクルマのコントロールを失ってしまい、バリアに接触して、そこでセッションが終わってしまった。しかし、そのことによるプログラムへの影響はなかった。全体的に見て、今日は多くの仕事をやり遂げることができたから、その意味では、今日の公式練習はうまくいった。今までのところ、クルマの仕上がりに全て満足しているわけではないし、まだまだ改善すべき部分がいっぱいある。だがエンジニアと腰を落ち着けてそれらの作業に取り組むつもりだ。予選の前までには、進歩を遂げられると確信している。明日がどうなるかを見据えていくよ。」ヤルノ・トゥルーリフリー走行1回目 19番手 1分49秒064フリー走行2回目 19番手 1分48秒059「我々は、2つのセッションを通して徐々に向上した。我々は、適切なセットアップを見つけようとしており、クルマに対してかなり多くの変更を施した。ここのコースは本当にバンピーだし、夜のドライビングに少し手こずったよ。なぜならば、暗い場所が何箇所かあり、それが通常よりもドライビングを困難にしたからだ。ここのサーキットは主に90°のコーナーで成り立っているため、正直なところ、ドライバーにとっては特にチャレンジングではないが、ファンにとっては良いスペクタクルになることを願っているよ。残念なことに、公式練習第1回目のときに、最後のコーナーでスピンをしてしまった。そして、できるだけ安全にレース・ラインから移動したかったから、ピット・レーンへと下りることにした。私は、自分と他のドライバーにとって、最も迅速で最も安全な選択肢を選んだんだ。結果として私はペナルティーを受けることになった。それは受け入れるけれど、私は自分と他のドライバーにとって、最も安全なことをしたのだ。そこが最も速いコーナーのひとつで、そこでクラッシュが起きるのは嫌だったからね。」ディーター・ガス レース&テスト チーフエンジニア「この素晴らしい施設を準備した主催者に、お祝いの言葉を述べねばなるまい。私は、非常にエキサイティングなレースになるだろうと思っている。F1が夜にレースをするのは史上初であり、おもしろい週末にするためのすべての要素がそこにはある。全般に、コースは我々が予測していたよりもバンピーなため、我々はそれに対処しなければならないが、この状況はみんなにとって同じだ。夜にドライビングすることに関して、問題は全くなかった。ドライバーによると、予想より少し暗いエリアが何箇所かあったが、全般的に問題はないとのことだ。このような新しい市街地サーキットでは予想されるとおり、今日は一日を通して路面が進化していた。明らかに、最初はとても汚れていたが、その後、タイヤのゴムが付着していった。予選の前にしなければならないセットアップの作業がいくつかあるが、今日多くの作業をやり遂げたおかげで、研究するための多くのデータを集めることができた。」新居章年 技術コーディネーション担当ディレクター「F1史上初めてのナイトレースが始まったが、大きな問題もなく、無事にスタートを切ることが出来た。市街地特有なバンピーなサーキットに悩み、タイム的には満足といえないが、それなりにセットアップの方向性は見出すことが出来た。また夜間の走行であり、また幸いにも雨が降らなかったため、路面温度もコンスタントでいいデータを取ることが出来た。まだ試してみたいこともあるが、予選に向けては十分な手ごたえを得られた。次に控える日本GPのためにも予選、レースといい結果を是非とも獲得したい。」