トヨタ・レーシングとTS030 HYBRIDは、FIA世界耐久選手権(WEC)今季最終戦・上海6時間レースの公式予選において、ライバルに僅差ながらポールポジションを獲得した。 予選でタイムアタックを担当したのはアレックス・ブルツ。彼は、ニコラス・ラピエールと共に決勝を戦うTS030 HYBRID #7を駆り、2度目のタイムアタックでこの週末を通して最速となる1分48秒273を記録、2番手の#2アウディに0.1秒差を付けた。
トヨタ・レーシングはWEC初挑戦の今年、6戦に参戦して3度目のポールポジションを獲得。300馬力のエキストラパワーを絞り出すトヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)の威力を見せつけた。上海6時間レースの行われる1周5.451kmの上海国際サーキットには、ハイブリッド回生区間が4ヶ所設定され、THS-Rは減速時のエネルギーを革新的なスーパーキャパシタで蓄積、競技規則で定められた上限の500kJを加速時に活用する。 午前中に行われた公式練習3回目は時折雨の降る天候の下で行われたが、公式予選が始まる頃には気温も上昇、コースも乾いた状態となった。 午前中の公式練習ではまずニコラス・ラピエールがウエット及びインターミディエイト・タイヤで走り始め、その後に交替したアレックス・ブルツはドライタイヤに換装、この週末初めて1分50秒の壁を破るベストタイムを記録した。 明日は午前8時から20分間のウォームアップ走行が行われ、6時間レースは午前11時にスタートする。 アレックス・ブルツ:今日の公式予選はドライバーの力というよりTS030 HYBRIDの性能で勝ち取ったといった方が良いだろう。サンパウロ(ブラジル)の公式予選では完璧なラップを刻むことが出来たが、ここでは最後のセクターで少しタイムロスをしてしまった。風向きを読み切れなかったのがその理由だが、それでもアウディに対して良いタイムアタックが出来てポールポジションを獲得出来たので嬉しい。昨日の公式練習ではロングランにおけるTS030 HYBRIDの戦闘力が高いことが確認出来たが、問題はやはり他車との混雑だ。明日の決勝レースは当然接近戦になる。恐らく富士のレースと同じような戦いになるだろう。しかし、負けるわけにはいかない。 パスカル・バセロン テクニカル・ディレクター:性能面から考えると、今週末はまずまず上手く行っている。ポールポジションが獲得出来たことも非常に嬉しい。ライバルに対して、もう少し差を付けられる余裕があったが、アレックス・ブルツが2ケ所のセクターで素晴らしい走りを見せてくれたので大変満足している。6戦に挑み3度のポールポジションは十分満足出来るが、我々の目標は明日の決勝レースで3勝目を挙げることだ。レースはタイヤの摩耗状態が予想より厳しいので、明日はこれまでとは異なった戦略になるかもしれない。アウディとの接戦になることは分かっているが、富士と同様に完勝して最高の気分でシーズンを締め括りたい。
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