9月8日(金)に静岡県の富士スピードウェイでFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦富士6時間の公式練習が開始され、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing/TGR)にとってホームコースである富士でのレースが幕を開けた。約2か月のインターバルを挟んでの開催となった今大会、舞台となる富士スピードウェイは台風の接近に伴い、8日(金)は朝まで断続的な雨に見舞われていたが、雨は弱まり、午前11時からの公式練習第1回目はウェットコンディションながら予定通りに実施。
午後の公式練習第2回目は日差しものぞくほどに天候が回復し、完全なドライコンディションで予選、決勝へ向けた本格的な走行が進められた。来日して以来、日本のファンの皆様、パートナー企業やトヨタ従業員からの熱烈な歓迎を受けてきたチームは、予選、決勝へ向けた準備を開始した走行初日から好走を見せ、フェラーリ、キャデラック、ポルシェ、プジョー、ヴァンウォールらとのハイパーカーの激戦に向け、1-2という好スタートを切った。ドライバーズチャンピオン争いで首位に付けるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車が、この日最速となる1分29秒523をマーク。前戦モンツァを制した小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車が0.597秒差の2番手につけた。現行WECでは、富士スピードウェイでこれまでに9戦が開催され、うち8戦を制しているTGRは、富士での9勝目及び6連覇を目指すと共に、リードしているチャンピオン争いでよりその位置を固めることを目指している。TGRはマニュファクチャラータイトル争いで、2位のフェラーリに26ポイント差をつけてリードしており、この富士ラウンドを終えた時点でさらに13ポイント差を拡げることができれば、最終戦を待たずしてマニュファクチャラーズチャンピオンを決めることができる。昨夜から続く雨によりウェットコンディションで公式練習第1回目は開始されたが、チームはこの時間も無駄にすることなく、7号車はロペス、8号車はブエミがウェットタイヤを装着した車両セットアッププログラムとシステムチェックを開始した。その後、6名のドライバー全員がウェット下での走行をこなし、トラブル無く90分間のセッションを終えた。この公式練習第1回目は、セッション終盤に雨が弱まったことで路面コンディションが徐々に良くなっていき、最後の数分で各車このセッションでのベストタイムをマーク。7号車はコンウェイ、8号車はハートレーのタイムによりこのセッションは6番手、7番手となった。公式練習第1回目の後、第2回目までの3時間のインターバルの間に天候が回復し、コース路面はほぼドライに。午後3時半からの公式練習第2回目が開始されると共に、7号車は小林、8号車はブエミがステアリングを握り、スリックタイヤでコースイン。この90分間のセッションは、2台のGR010 HYBRIDの車両パフォーマンス比較やミディアム及びハードタイヤの摩耗に関する確認など、様々なセットアップを試す忙しい時間となった。このセッションでは、開始直後にブエミが1分30秒を切る好タイムを記録すると、最後まで破られることなく、この日のトップタイムに。また、ブエミと共にセッション序盤に小林がマークしたタイムはこの日2番手となった。チームはこの2回の公式練習走行で得られたデータを分析し、明日9日(土)午前中の公式練習第3回目へ向けたセットアップ及びレース戦略の最適化を図っていく。明日は午後3時半からハイパーカークラスの予選が行われ、TGRは今季4度目のポールポジション獲得を目指す。決勝レースは10日(日)の午前11時から6時間にわたって行われる。TOYOTA GAZOO Racing、天候一転の富士で6連覇へ向け走行開始小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)日本に戻ってきて母国ファンの皆様や多くのトヨタ関係者の前でドライブできることをとても嬉しく思います。今日は路面コンディションが大きく変わりました。ウェットコンディションではまだやるべきことがありますが、ドライコンディションではとても好調です。まだクルマのバランス面で幾つか調整すべき点はありますが、多くの周回をこなせて良かったです。ここ富士では、決勝レース中のコース路面の変化が大きな要因になります。大雨で洗い流された路面が、この後多くの車両が周回を重ねていくことで変わっていくので、それにあわせた車両セットアップをしておく必要があります。まだイベントは始まったばかりですし、プッシュを続けて行きます。マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)ここ富士ではまだこの先も、いつ雨が降るかわからないので、ウェットコンディションでどのような挙動を示すかなど、経験できたのは良かったです。ドライコンディションでのクルマのバランスは悪くないですが、まだ細かい調整を試し、可能な限りパフォーマンスを引き出したいと思っています。今夜も作業を続けますが、まずは順当なポジションにつけられたと思いますし、この勢いで前向きに進めていくだけです。ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)今日は順調な一日でした。ウェットコンディションで走れたことは、さらに雨が降ったときのクルマへの理解を深める手助けになりますし、その後はドライで順調に周回を重ねることができました。最初の各車のパフォーマンスレベルは確認できたと思いますが、まだドライでは1時間半しか走っていませんし、コース路面はこれから変わっていくので、まだまだわかりません。ここはブレーキやタイヤを含め、クルマに厳しいコースなので、全てを最適化するためにどうするかがポイントになります。セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)今日は、ウェットとドライの両方を経験して比較することができたので、天候的には予想していた以上にラッキーでした。両セッション共に順調で、片方が完全なウェット、もう片方は完全なドライで走ることができました。実りある金曜日だったと思います。多くのデータを収集できましたし、我々の競争力も高そうです。これからは明日に向けた改良が大事になってきますし、決勝レースではタイヤ摩耗が非常に重要な要素となるので、それをコントロールできるよう作業を続けていく必要があります。ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)トラブルなく進んだ一日でした。ドライの公式練習第2回目を1-2で終えられたというのは好結果ですが、タイムは非常に拮抗しています。ウェットコンディションでは、我々はライバルに対しあまり良いペースとは言えなかったので、残りのレースウィークはドライのまま進んでくれることを願っています...
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