トロ・ロッソは21日(水)、2018年F1マシン『STR13』のシェイクダウンを実施。ホンダの2018年型F1パワーユニット『RA618H』での初走行は“パーフェクト”だったと表現した。昨年、ホンダはF1パワーユニットのコンセプトを一新。だが、完成までの時間が短かったことから、ファクトリーでの初始動にも手間取り、プレシーズンテストでは信頼性トラブルが多発。結果的にマクラーレンとのパートナーシップ解消に繋がった。
今年、ホンダはトロ・ロッソにF1パワーユニットを独占供給。先週14日(水)にはファクトリーで2018年F1マシン『STR13』でホンダの2018年型F1パワーユニット『RA618H』の初始動を完了させており、21日(水)にはトロ・ロッソのファクトリーから45マイル離れたイタリアのミサノ・サーキットでフィルミングデーを利用してシェイクダウンを実施した。コンディションはウェットとなったが、2018年のドライバーを務めるピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーの二人がトロロッソ・ホンダ STR13のステアリングを握り、ピレリのプロモーションタイヤで最大100kmに制限されたフィルミングデーの走行をトラブルフリーで終えており、トロ・ロッソは初走行をスムーズに行えたことに満足していると語った。「全てがスムーズかつ予定通りに実行されました。我々は何も問題が発生することなくプログラムを終了し、スケジュール通りに全てのプロモーションリクストを完了させることができました。パーフェクトな一日でした」とトロ・ロッソの広報担当は語った。公開されたトロロッソ・ホンダ STR13は、昨年とは異なる空力コンセプトを採用。ノーズ形状はワイド&ローとなり、先端には突起がついている。トロロッソ・ホンダのテクニカルディレクターを務めるジェームス・キーは、マシンパフォーマンスを改善するために段階的なアプローチを採っていくと述べ、2018年シーズンを通して昨シーズンに抱えていた“いくつかの問題”を追いかけることになると語る。昨年、トロ・ロッソは、開幕戦オーストラリアGPと第5戦スペインGPでダブル入賞を果たすなど好調なスタートを切ったが、後半戦では相対的なパフォーマンスが低下し、最終戦でルノーに逆転を許してコンストラクターズ選手権7位でシーズンを終えている。ジェームス・キーは、2018年にむけてシャシー側にいくつか基本的な変更が必要だとし、それは即時に解消できるものではないと認める。「我々はやるべき仕事をやってきたと思う。最終的にすべては相対的なことだ。競争相手が何をしているかはわからないし、競争相手がやっていることを過小評価するのは常に危険だと思っている。なので、必要だと考えているよりもさらに高い目標を立てるものだ。特に新しいレギュレーションでは非常に競争的な状況となっている」とジェームス・キーは RACER にコメント。「それに我々は変化も目の当たりにしている。ルノーは昨年の開発で優れた仕事をした。今の彼らはビッグチームであり、過去数年間よりも優れたサポートを受けている。マクラーレンも非常にうまくリカバリーしたし、フォース・インディアも非常に強力なパフォーマンスを発揮している。だから、前進を果たしているときはその全てを考慮する必要がある。だが、そのような人々がどの位置にいるかを正確に伝えるのは非常に難しい」「我々が今いるポジションではまだやらなければならない仕事があると思っている。特定の分野では良い成果を挙げているが、我々が取り組んだ2017年マシンのシャシーには満足できない基本的な部分があったのも確かだ」「基本的なパフォーマンスステップにおいてより多くの作業が必要だと思っているが、我々はそのための計画を立てており、段階的なアプローチを採っていく。これから長いシーズンになるし、解決しなければならない問題がいくつかあるので、開発面では少し段階的なアプローチを採っていくことになる。だが、我々はそれらの解決にむけて良い進歩を果たしているのも確かだ」トロロッソ・ホンダはプレシーズテスト初日となる2月26日(月)にスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで2018年F1マシン『STR13』を正式公開する。プレス向けのアナウンスによるとトロロッソ・ホンダ STR13のお披露目はチームのガレージ前で現地時間8時10分(日本時間1時10分)から開始。ドライバーを務めるピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーによってアンベイルが行われる。トロ・ロッソは、昨季まで「スクーデリア・トロロッソ」として参戦していたが、2018年は親会社のレッドブルの名前を掲げ「レッドブル・トロロッソ・ホンダ(RED BULL TORO ROSSO HONDA)」のチーム名で参戦する。関連:【動画】 トロロッソ・ホンダ、STR13のシェイクダウンを実施!