トロ・ロッソのドライバーは、予選のパフォーマンス向上が必要だと繰り返し述べているが、テクニカルディレクターのジョルジオ・アスカネッリは「クラッシュが足りないからだ!」と語る。「F1のコスト削減の必要性は理解しているし大賛成だが、現在のルールは経験の浅い若手にとっては不利だ」とアスカネッリはその発言の真意を説明。現在F1では、レースでのスペアカー使用禁止、シーズン中のテスト禁止などにより、コースでの走行時間が大きく制限されている。
「走行時間を増やすことが経験を積む一番の方法だから、ドライバーは、当然、コースアウトしないことを第一に考える」「しかし、ドライバーが自分の限界点を知る唯一の方法は、それを越えることだ」「また、フリープラクティスとレースのドライビングへのアプローチは似ているが、予選は大きく異なる。経験のあるドライバーは、縁石の乗り越え方や異なるラインの使い方など、ありとあらゆる、小さなトリックを隠し持っているからね」「しかし、レースの週末に自分の限界を超えるような走りをするのはリスクが多すぎる。その結果、トロロッソのドライバーたちは、毎回と言って良いほど、金曜日と土曜日よりレースのペースの方がコンペティティブだし、日曜日の夜の彼らの技術面に関するフィードバックも一番的確なんだ」「そうは言っても、ポイントを獲得するにはレースをフィニッシュしなければならないので、彼らのやり方を責めるわけにはいかない。経験と共に予選のスピードもついてくると信じている」