トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレー、そして、ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2018年のF1世界選手権 第5戦 スペインGPにむけての意気込みを語った。ウインターテストの開催地でもあり、F1関係者にとっては馴染み深いカタロニア・サーキットで、ヨーロッパラウンドの幕が開く。テストで走り込んだ場所とはいえ、レースでは何が起こるか分からない。コンディションの変化も相まって、サプライズが起きる可能性もあるレースとなる。
ピエール・ガスリー「バルセロナはF1に昇格する前からテストで頻繁に利用してきたので、今までに地球数周分は走っています。また、ユーロカップフォーミュラでチャンピオンを獲得し、2015年のテストで初めてF1マシンに乗ったサーキットでもあるので、いい思い出がある場所です。そして、ウインターテストでいい走りができていたので、今週末の決勝ではポイント獲得も可能だと思います。カタルニアでいい走りができればどのサーキットでもできると言われますが、カタルニア固有の特徴も多くあります。決勝でのオーバーテイクは難しいと思うので、予選が重要です。F1の予選は、1回のセッションでわずか2周ほどしかアタックすることができず、簡単ではありません。しかも、トラフィックなどで前を阻まれるとアタックのチャンスは1周のみになることもあり、そこで決めるしかありません。ただ、それが面白いところでもあると思っています。フランスから家族や友達が応援に来てくれる予定です。それによるプレッシャーは特に感じませんし走行後にはリラックスした時間を過ごせるでしょう。このような形で仲間からのサポートを得られるのが、ヨーロッパラウンドのいいところです」ブレンドン・ハートレー「バルセロナは全てのF1ドライバーにとって最も馴染みがあるサーキットなので、ライバルを出し抜くのは簡単ではありません。ただ、それもここでのチャレンジのひとつです。このサーキットは、テストはもちろん、多くのチームのシミュレーターでも使われているのですが、それはここが全ての要素を備えているからだと思います。走っていて楽しいですが、特に長い右コーナーは首に負担がかかり、身体的にもタフなサーキットです。オーバーテイクは簡単ではないので、予選がとても重要です。タイヤの性能を引き出せていなかった去年と比べると、今年の予選でのパフォーマンスには満足しています。マシンとタイヤに対する理解が日に日に増しているので、自信を持って予選に臨めます。燃料が減りタイヤが温まってマシンの性能を出し切ることができる予選は、週末の中でも楽しい時間です。F1マシンが真価を発揮する瞬間と言えるでしょう。トラクションが必要な最終セクターのためにリアタイヤを温存する必要があり、タイヤマネジメントがとても重要です。高速コーナーが続くコース序盤でリアタイヤを消耗しやすく、それが予選でのポイントになるでしょう」田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「第5戦が行われるカタルニアサーキットは、2月にオフシーズンテストを行ったトラックで、その際は低温や雨、想定外の雪に見舞われました。一方で、今週末は比較的温かく、当時とは大きくコンディションが異なりますが、ウインターテストのデータとここ4戦で得たデータを活かし、セットアップを進めます。トラックレイアウトは高速コーナー、低速コーナー、それに比較的長いストレートの組み合わせで、バラエティーに富んでいます。先日のバクーではストレートでのスピード不足に苦戦しましたが、その後の分析によりエネルギーマネジメントの運用が大きく影響したことが分かっており、その経験をここスペインで活かすことができると考えています。オーバーテイクが難しいサーキットですので、予選でのパフォーマンスが重要となります。ベストな結果を得られるよう、チームと準備を進めます」関連:2018年 F1スペインGP テレビ放送時間&タイムスケジュール
全文を読む