SUPER GTの2017年シーズン開幕戦が岡山国際サーキットで行われ、平川亮/ニック・キャシディ組のKeePer TOM'S LC500 37号車が新型となったLEXUS LC500のデビュー戦で勝利を挙げた。LEXUS LC500は2位から6位も占め、トップ6独占という圧倒的な速さで開幕戦を制した。 4月8日(土)~9日(日)の両日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで、SUPER GTの開幕戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が開催された。
今季のSUPER GT GT500クラスは、昨年まで3年間にわたって使用されてきた車両に変わり、新たなレギュレーションに則った新型車両が投入される。LEXUS GAZOO Racingは、昨年、参戦最後の年に念願のタイトルを獲得したLEXUS RC Fに代わり、今年春発売の新型ラグジュアリークーペ「LC500」をベースとした新型車で参戦する。この新たなベースシャシーに、昨年まで3年間開発を重ねてきた2リッター直列4気筒ターボの「RI4AG」エンジンを搭載し、6台体制でタイトルの防衛に挑む。 予選8日(土)午前中の練習走行時は前夜の雨で路面が濡れていたものの、予選までには完全に乾き、曇天の下、気温21度、路面温度22度のドライコンディションで午後2時45分からQ1が開始された。GT300クラスに続いて行われたGT500クラスのQ1では、LEXUS LC500勢が激しいトップ争いを繰り広げ、石浦宏明の駆るZENT CERUMO LC500 38号車がトップタイム。アンドレア・カルダレッリのWAKO'S 4CR LC500 6号車、キャシディの37号車、関口雄飛のWedsSport ADVAN LC500 19号車が続き、僅かコンマ1秒内という僅差でLEXUS LC500がトップ4を独占。ジェームス・ロシターのau TOM'S LC500 36号車が8番手でQ2進出を果たしたが、ヘイキ・コバライネンのDENSO KOBELCO SARD LC500 1号車が僅か0.01秒届かず9番手でQ1敗退となってしまった。GT300クラスの赤旗中断で予定よりも遅れた午後4時15分からQ2開始。セッションが残り3分を切ったところで本格的なアタックが開始された。しかし、僅かに降り始めた雨により中嶋一貴の駆る36号車が最終コーナー手前でコースアウトし、タイヤバリアにヒット。セッションは赤旗中断となり、その直後につけて好ペースでアタックしていた38号車、37号車らはアタックを途中で断念せざるを得なくなってしまった。セッションは残り3分で再開されたが、再開直後にコース上にストップした車両があり、再度赤旗に。セッションはこれで終了となり、アタック前のタイムで、6号車が2番手、37号車が3番手、38号車が4番手、19号車が6番手、36号車は赤旗の原因を作ったとしてタイム抹消により8番手から明日の決勝に臨むこととなった。GT300クラスでは、2015年のFIA-F4チャンピオン、昨年は全日本F3でシリーズ3位というキャリアから、今年SUPER GTにデビューすることとなった21歳の坪井翔が、共にデビュー戦となったJMS P.MU LMcorsa RC F GT3 51号車でいきなりの好走を見せ、赤旗からの残り10分での再開直後にその時点でのトップに。その後タイムを上げたライバルに更新されていったものの、坪井の51号車は6番手と好位置につけ、坪井はデビュー戦でQ1通過を果たした。佐々木孝太がアタックしたTOYOTA PRIUS apr GT 30号車が3番手。嵯峨宏紀がアタックしたTOYOTA PRIUS apr GT 31号車は9番手となりQ2へ進出。吉本大樹のドライブしたSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車は22番手でグリッドが確定した。Q2では、残り5分の時点で中山雄一がドライブする51号車がQ1でのベストタイムに迫るタイムをマークしトップ浮上。その直後に、永井宏明がアタックしていた30号車がスピンし、赤旗中断に。残り5分でセッションは再開されたが、51号車と31号車は再アタックせず。タイムを上げてきたライバルに更新されたものの、51号車はデビュー戦で4番手の好グリッドを獲得。久保凜太郎がQ2を担当した31号車は9番手と健闘。30号車は14番手から翌日の決勝に臨むこととなった。 決勝9日(日)はこの週末では初めて好天に恵まれ、やや雲はあるものの太陽も顔を出す、春らしいコンディションの下、午後2時34分に岡山県警の白バイ先導によるパレードラップが開始された。続いてフォーメーションラップに入ったが、ここでポールポジションにつけていたNSX-GT 8号車がスローダウン。いきなり赤旗が出され、セーフティカー先導でのスタートという、波乱の開幕となった。ポールポジションの車両が脱落したことで、LEXUS勢は6号車、37号車、38号車、19号車とトップ4を占めてスタートを切ることに。3周目から本格戦が開始されると、LEXUS LC500同士の激しい首位争いが繰り広げられた。2位につけるキャシディの駆る37号車が首位を行く大嶋の6号車に襲いかかり、ヘアピンへの進入で白煙を上げるほどのハードブレーキングでインを刺し、首位に浮上。 5周目にもGT300車両のクラッシュによりセーフティカーが導入。12周目にレースが再開されると、トップ4を占めるLEXUS LC500の後方で1台を挟んで6位、7位を走っていたロシターの36号車と、コバライネンの1号車もライバルをかわし、序盤からLEXUS LC500がトップ6独占体制に。1周が短く、コース幅も狭い岡山で、GT300クラスの周回遅れ車両が出てくると、コース上の混雑をかいくぐりながらの、LEXUS同士のバトルが頻発。中でも36号車のロシターは16周目に19号車の関口をパスすると、タイヤの摩耗に苦しみ3位に後退していた6号車 大嶋もパスし、更に前を狙った。中盤に入ると、各チームピットへ入って給油、タイヤ交換とドライバー交代。ここで4位に落ちていた6号車は、好ピットに助けられ2位へ浮上。先にピットインしていた37号車の平川は、ピットアウト時点では6号車、38号車、36号車の先行を許したが、アウトラップの3台を攻略し、再び首位に返り咲いた。その後方では、36号車 中嶋一貴と6号車 カルダレッリの激しい2位争いとなり、2台はバックストレートからヘアピン進入でのブレーキング合戦を繰り広げたが、アウト側の中嶋一貴が停まりきれずコースオフ。6号車が単独2位、その後方で1号車の平手と38号車石浦が表彰台を賭けてのバトルを続けることとなった。2位に浮上したカルダレッリは、何度も首位の平川に仕掛けるが、平川も巧みなライン取りで逆転を許さず。レースは53周目にGT300車両がクラッシュしたために長いセーフティカーランとなり、残り20周で、マージン帳消しでのスプリント勝負となったが、37号車平川は終盤戦も6号車カルダレッリからの猛追を凌ぎ切り、トップでチェッカー。今季からの新規定にあわせて投入された新型車両 LEXUS LC500のデビュー戦を勝利で飾った。平川にとって...
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