2019年のSUPER GT 第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の公式予選が、4月13日に岡山国際サーキットで行なわれ、GT500クラスではNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)がポールポジションを獲得。GT300クラスはNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺)がクラスポールポジションとなった。
予選日の岡山国際サーキットは、早朝から快晴で午前中に開催された練習走行セッションでは、多くのチームがコースレコードを上回る状況だった。しかし、午後になって上空には雲が広がり、曇り空の下でノックアウト予選はスタートした。10分間で行なわれるGT500のQ1は、午後3時18分にスタート。このセッションでは、LEXUS LC500勢を中心に早いタイミングで各車がコースインしていく。なお、No.64 Modulo Epson NSX-GTは練習走行セッションでの追突のペナルティを受け、Q1担当ドライバーの牧野任祐は通常の半分となる5分間でのアタックとなった。セッションのほとんどを使いタイヤを丹念に温めた各車は、残り2分を切ったところでアタックラップに入った。まずは午前の練習走行のベストラップをさらに上回る1分17秒333でNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(ヤン・マーデンボロー)がトップに立つ。その後No.8 ARTA NSX-GT(伊沢拓也)が1分17秒879で2番手に入る。24号車のタイムを、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生)が1分17秒165と塗り替えるが、すぐにNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(ジェームス・ロシター)が1分17秒103を記録してトップを奪う。これでトップ3がNISSAN GT-R NISMO GT500という状況となる。さらに体制一新での初戦となるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平)も1分17秒874のタイムを出し、GT-R勢は全車がQ2進出枠に収まった。昨年の開幕戦岡山を制したNo.17 KEIHIN NSX-GT(ベルトラン・バゲット)は1分17秒579で4番手。そして昨年のチャンピオンであるNo.1 RAYBRIG NSX-GT(ジェンソン・バトン)が5番手で続いた。一方、なかなかタイムが伸びないLEXUS LC500勢の中ではNo.37 KeePer TOM'S LC500(平川亮)が1分17秒906を出して8番手となり、ただ1台のQ1通過となった。GT300の予選Q2を挟んで、10分で行なわれた予選Q2。いつもなら最初の3分を過ぎるまで動きのないGT500クラスだが、タイヤを温めるためか、まず残り8分30秒でNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大)がコースイン。残り7分までには全車がピットを離れ、じっくりウォームアップを行う。そしてセッション残り1分40秒を切って、タイムアタックを行っていたNo.1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴)が出したタイムは、なんと1分16秒950。これまでのレコードタイム(1分18秒126)を大幅に書き換え、16秒台に入る驚異的なタイムで、もちろんトップへ浮上。続いてコントロールラインを通過した17号車が1分17秒088で続き、この時点でHonda NSX-GT勢がワン・ツーに。だが、ここでNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)が1分16秒602と、1号車のタイムをさらに0.348秒上回るタイムをたたき出してトップを奪取。さらにNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹)は1分16秒876で1号車を上回るも、トップの23号車には届かず。これでGT-Rがワン・ツーとなって、予選は終了となった。最後の大逆転でNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが昨年の第5戦富士以来のポールポジションを獲得。クインタレッリにとっては、通算12回目のポールとなる。その後ろはNo.17 KEIHIN NSX-GT、No.1 RAYBRIG NSX-GT、そしてNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀)が続いた。LC500のNo.37 KeePer TOM'S LC500(ニック・キャシディ)は、1分17秒693とQ1よりもタイムを削ったものの7番手だった。明日4月14日の決勝レースでは、No.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.12 カルソニック IMPUL GT-R、最前列をGT-Rが独占した形でスタートする。だが、後方にはNSX-GT勢が逆転を狙い、天候も不安視されているだけにLC500勢など後方のマシンもまだまだチャンスはあるはず。今季開幕戦の決勝は、14日午後2時30分にスタートする。GT500クラスNo.23 MOTUL AUTECH GT-R松田 次生「午前の公式練習からクルマのフィーリングは悪くなかったですね。Q1ではセクター2でトラフィックに引っかかりましたが、あれがなければ16秒台も見えていました。だからQ2でロニーさん(クインタレッリ)がスーパーラップを決めてくれると思い、彼がスタートする前に「クルマとタイヤのフィーリングはいいから、きっといいタイムが出るよ」と伝えました。そうしたら本当にスーパーラップでポールを獲ることができました。このオフにはクルマは車体からエンジンからと、何から何までが進化していました。それにミシュランのタイヤもそうです。もちろん僕たちドライバーも精一杯努力して…、すべてが良くなった。セットアップを見直す上でも、4台(チーム)のGT-Rが作業を分け合って、NISSAN陣営としてクルマを速くする作業を続けてきました。その結果として速くなり、ポールを獲ることができました。明日は(朝から)午後3時まで雨のようで、もちろん簡単なレースにはならないと思いますが、有利なポジションからスタートするのでしっかりとポイントを獲れるようなレースにしたいと思います」ロニー・クインタレッリ「やっとここ(ポールポジション)まで来ることができました。去年は速さが足りずに、特に予選での速さがなくて苦労しましたが、オフの間にNISMOのスタッフが一生懸命にクルマを速くしてくれて…。でも、ここまで速くなっているとは思いませんでした。(松田)次生さんは「(無理しなくても)いいタイムが出るよ」と言ってくれましたが、やはりいいタイムを出すためにはハードにプッシュする必要がありました。午前の公式練習では18秒台だったから、どうやってタイムを上げて行こうか考えて、もうフルプッシュの連続でした。アタックラップでは小さなコーナーでちょっとトラクションが足りない感じでしたが16秒台が出て、これでトップ3には行けたと思っていましたが、中島エンジニアから無線でポールが獲れたことを知らされ、とても嬉しかったですね。このシーズンオフでは、規則もあってそこまで(大きく)クルマを進化させることができなかったと思う。でも、それだけ(各戦での)セットアップがとても重要だと分かっていました。明日は、何度天気予報を見ても雨のようですね。でも、ウエットであってもタイヤのパフォーマンスは高いと思うので、チームと力を併せて...
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