2018年 SUPER GT 第5戦 富士スピードウェイの決勝レース『富士500マイル』が8月5日(日)に行われた。GT500クラスを制したのは#36 au TOM'S LC500(中嶋一貴/関口雄飛)。2位に#1 KeePer TOM'S LC500(ニック・キャシディ/平川亮))が入り、SUPER GTでTOM'S史上初のワンツーフィニッシュを達成。3位には#17 KEIHIN NSX-GT(小暮卓史/塚越広大)が入った。GT300では#55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー)が優勝した。
静岡県警の白バイ9台とパトロールカー4台による交通安全啓発パレードラップを行い、フォーメーションラップを経て、午後1時37分、全177周で争われる今季最長の500マイル(約807km)のレースがスタートした。レース序盤は、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)とNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(高星明誠)、その後ろの3番手にはNo.36 au TOM'S LC500(関口雄飛)が続く展開から始まった。トップ3台は徐々にそれぞれの間隔が開いていくかと思われたが、3番手を走行していた36号車が23周目に2番手へ浮上。さらに前を行く23号車に肉薄したところで、23号車は31周目にピットイン。ここからこの日最初のルーティンのピットインが本格化していく。ここで暫定トップに立った36号車は、36周終わりで最初のピットイン。しかし右リアのタイヤ交換に手間取り、各車が1回目のピットインを終えた時点で4番手にまで後退してしまう。これでトップ3は、23号車(松田次生)、No.12 カルソニック IMPUL GT-R(ヤン・マーデンボロー)、24号車(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)とNISSAN GT-R NISMO GT500勢が占めることとなった。中盤まで実質トップの23号車から、その座を奪い取ったのは同じGT-Rの12号車だ。55周目にトップに立つと、そのままレースをリード。一方、GT-Rの牙城を切り崩したのは、36号車(中嶋一貴)だ。60周目に24号車をパスすると、64周目には23号車もパスし12号車を猛追する。12号車は70周終了時点で2回目のピットイン。順調にコースへ復帰。一方の36号車は73周終わりでピットインしたものの、再び右リアのタイヤ交換に時間がかかり、順位を落としてしまう。各車2回目のピット作業を終えて、トップは12号車、23号車、そして3番手にはNo.1 KeePer TOM'S LC500(ニック・キャシディ)、4番手に24号車となる。No.36 au TOM'S LC500(関口雄飛)は、ピットの遅れを取り戻すべくプッシュを続けると、79周目には、1号車をパスし、3番手にまで順位を戻していた。レースは折り返しを過ぎても、トップはNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹)のまま。これをNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)とNo.36 au TOM'S LC500(関口雄飛)が追いかけるという状況が続く。3度目のピットインは無難にこなした36号車(中嶋一貴)が2番手に上がったものの、12号車のトップは変わらない。しかし、1号車が125周目に23号車をパスしてから、LEXUS LC500勢、Honda NSX-GT勢の反攻が激化する。さらに後方からはNo.17 KEIHIN NSX-GT(小暮卓史)、No.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀)、そしてNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)を挟んでNo.100 RAYBRIG NSX-GT(ジェンソン・バトン)が追いかける。そして142周を終え、トップ12号車がついに義務のドライバー交代を含むピットイン4回目を順当にクリア。これで12号車が優勝をたぐり寄せたかに見えた。だが148周目に12号車は突如スローダウン。インタークーラーのパイプが外れたため一度ピットに戻り、3分ほどでコースへ復帰。これで大きくポジションを下げ、2016年第5戦富士以来の優勝は遠ざかってしまった。これでNo.36 au TOM'S LC500(関口)がトップに立ち、2番手にはNo.1 KeePer TOM'S LC500(キャシディ)となる。ここで、36号車のペースが乱れ、間隔は一時1秒350差にまで詰まった。だが、これは関口が安全策のブレーキングをしていたためで、結局順位を入れ替えるまでには至らす。前戦タイで最終ラップにガス欠となってレースを失ってしまった悪夢を振り払う走りで、500マイルのトップチェッカーを受けることとなった。また、チームによると、SUPER GTでのTEAM TOM'Sのワン・ツーは初めてとのこと。3位には、予選をエンジントラブルで走れず14番グリッドからのスタートとなったNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)が入る。GT-R勢では、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/高星明誠)の6位が最高位となった。シリーズランキングでは、No.1 平川/キャシディが47ポイントでトップに立ち、No.36 関口が単独で2位、そして5位ゴールのNo.100 RAYBRIG NSX-GTの山本尚貴/ジェンソン・バトンが3位となった。また、昨日の公式練習で大クラッシュし、マシンを大破したNo.38 ZENT CERUMO LC500はチームの懸命の修復が間にあって最後尾からタート。調整不足の否めないマシンを立川祐路と石浦宏明が懸命にドライブし、8位入賞を果たした。GT500No.36 au TOM'S LC500中嶋一貴今回の富士で勝たないと、僕たちにとっての今シーズンが終わってしまう。そう考えてレースに臨んでいたので、勝つことができてホッとしています。このコンビでは初優勝ですし、TEAM TOM'Sとしても初のワン・ツー・フィニッシュということで、チームにとってもうれしい週末になりました。(終盤までトップを走っていた)TEAM IMPULさんには申し訳ない気持ちもありますが、僕たちのクルマの速さは彼らと同等か、部分的には上回っていたと思っています。だから僕たちドライバーはノーダメージで走りきることだけを考えていました。ピット作業でハプニング(2度のタイヤ交換時の遅れ)が起きた時には、少しガッカリしたところもありました。正直なところ、最後のピットインで(関口)雄飛に変わった時には“2位でも仕方ないのかな”と思ったりもしました。僕はともかく、雄飛には不運続きで“ちょっと酷かな”とも思いました。でも雄飛が最後まで諦めずに走ろうとしたことでご褒美として1位が手に入ったんだと思いました。雄飛にとっても良かったな、と。ここまで不運なレースも多かったのですが、“どこかで1回勝ったら帳尻が合うだろう”と考えてもいました。残り3戦ですが、ここから勝負に行きたいですね。関口雄飛「今年からTEAM TOM'Sに移籍してきて、今回が初優勝、というか初めての表彰台で、とても嬉しいです。チームも初のワン・ツーということで本当に良かったです。ピット作業でのタイムロスは、人間なのでミスもある、仕方ない、...