2019年のSUPER GT第2戦の決勝が行われ、ポールポジションからスタートした#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が2位表彰台を獲得した。予選日は好天に恵まれた富士スピードウェイ。決勝日も午前中こそ青空が広がり初夏のような暑さも感じられたが、決勝に向けたスタート進行中、グリッドウォークが行われている頃から雲行きが怪しくなると、ぽつぽつと雨粒が落ちてきた。
次第に雨量も増え、コース上もウェットコンディションになってきたことから、110周の決勝レースはセーフティカー(SC)先導のもとスタートした。2周のSCランを終え、3周目に入ったところで実質的にレースが始まった。ポールポジションスタートの#23 GT-Rはクインタレッリが第1スティントを担当。2位スタートの#37 LC500に一旦かわされたものの、6周目の100Rで再びトップを奪い返した。ここから後続との差を広げにかかったが、9周目に入る頃から雨脚が強まり、GT500クラスでもオーバーランするマシンが出るほどコンディションが悪化。クインタレッリはなんとかコース上にとどまっていたが、13周目に入った1コーナーで、後ろから迫っていた#38 LC500に逆転を許し、2位に後退。直後にSCが入り、そのまま16周目には赤旗が提示されレースは一旦中断することになった。天候の回復を待って、約30分後にSC先導のもとレース再開。18周を終えてSCが隊列を離れ、再びバトル開始となった。コース上は依然ヘビーウェットコンディションで、タイヤに十分な熱が入るまで#23 GT-Rには苦しい時間が続き、20周目には5位まで後退。しかしその後ペースを取り戻して次々に前の車をとらえていき、31周目にはトップを奪い返した。32周目にはファステストラップを記録するハイペースで周回を重ね、41周を終えてピットイン。スリックタイヤに履き替えると松田にドライバー交代して第2スティントへと向かった。44周目には全車が1度目のピット作業を終え、#23 GT-Rはトップに浮上したが、59周目に#38 LC500の逆転を許し2位後退。松田はなんとか食らいつきながら80周目まで力走を見せてピットイン。1周前に#38 LC500はピット作業を終えていたが、チームの素早い作業で逆転に成功しトップを奪い返した。最後のスティントを託されたクインタレッリはベストラップを更新しながら周回を重ねたが、気温と路面温度が下がってきたことからペースが上がらなくなり、99周目の1コーナーで#38 LC500にかわされてしまった。残り10周を懸命に走り切った#23 GT-Rは2位でチェッカーを受け、開幕戦から2戦連続で表彰台獲得を果たし、ポイントランキングで首位に浮上した。予選8位からスタートした#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/フレデリック・マコヴィッキ)は、第1スティントを担当した平手が5位まで順位を上げると、GT500クラスの中ではいち早くスリックタイヤに交換し、マコヴィッキが上位陣を追い上げていった。第2スティントで表彰台圏内の3位までポジションアップし、最後のスティントを平手に託したが、終盤にペースダウン。6位で持ちこたえてフィニッシュし、2戦連続でポイントを獲得した。予選3位からスタートした#12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ジェームス・ロシター)は途中接触によるスピンなどがあり12位フィニッシュ。予選13位の#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーデンボロー)はトラブルで一旦ピットに入り、7周遅れの14位となった。ロニー・クインタレッリ「最初のスティントは、開幕戦のことが一瞬よぎるような大雨でした。雨がやんでレースが再開してからは、序盤は苦しかったですがペースが上がってきてトップに復活できました。ピットインのタイミングも良く、いい形で次生選手に渡せたと思います。最後のスティントは、アウトラップで踏ん張ればトップを守れると思って、その通り順調に行っていましたが終盤グリップに苦労しました。結果は残念ですが、ランキングトップをこの先も守っていけるように頑張ります」松田次生「(自分のスティントでは)GT300クラスと出会うタイミングが悪く、ストレートで38号車に抜かれてしまいました。ですがピット作業に関しては僕たちのチームには定評があるので、なんとかロニーに託したときにチャンスができるよう、離されないように頑張りました。今日の結果でランキングトップになりました。去年もこの時点でトップに立ちましたが、GTはここからが難しくなります。次戦以降も取りこぼしのないように戦っていって、8月の富士大会で大量得点ができるように頑張ります」