2017年のSUPER GTが、岡山国際サーキットで開幕。4月8日に行われた公式予選で、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は予選14位となった。今シーズンは車両規定が変更となり、NISMOは新型NISSAN GT-R NISMO GT500で、2014・15年の連覇を成し遂げた松田とクインタレッリの2名のドライバーとともに王座の奪還を目指す。
週末の岡山は雨の予報が続いていたが、予選日の朝は曇り。ただし、早朝まで降っていた雨がコース上に残っており、午前9時からの公式練習はウェットコンディションで始まった。水しぶきが上がるほどではなかったが、ウェットタイヤでの走行となったセッション序盤、#23 GT-Rは時折タイミングモニターのトップに立つ場面もあり、苦戦した開幕前テストからの進歩を感じさせる場面もあった。セッションがすすむにつれ、コースコンディションは徐々に回復。チームは走行とピットインを重ね、予選に向けたセットアップを煮詰めていった。セッション最後に行われたGT500クラスの占有走行では、それまでの自己ベストタイムを約0.4秒縮めたが、順位は12番手。Q2進出をかけ、チームはサーキットサファリの時間も使い、予選に向けた準備を進めていった。午後3時15分、GT500のQ1がスタート。予選前に他のカテゴリーの走行もあり、コース上は完全にドライコンディションとなっていたが、予選が始まるころには分厚い雲が立ち込め、わずかに雨が落ちてきたこともあってWET宣言が出された。Q1を走るクインタレッリは、アタックのタイミングを計りセッション前半はピットで待機。残り時間が8分を指したところでコースへと向かっていった。2周のウォームアップラップののち、アタック開始。まずは1分21秒979をマークすると、連続アタックで1分19秒386までタイムを削ってきた。しかし、トップから14台が1秒以内のギャップに、さらにはQ2進出圏内となる8番手から最下位まででも約0.6秒差と、厳しいポジション争い中で、最終的に#23 GT-Rの順位は14位となった。松田次生 (#23 ドライバー)「公式練習ではウェットコンディションから走り始めましたが、そのときは結構調子が良くて、ミシュランタイヤさんの頑張りもすごく感じました。ドライコンディションでは少ししか走れませんでしたが、フィーリング的にはそれほど悪くないけれど周りが予想より速かった。テストの時と比べて差は縮まってはいますが、まだ大きくは詰められていないというのが現状です。でも、明日の決勝も荒れると思うので、しっかりと完走して着実にポイントを獲りたいと思います」ロニー・クインタレッリ (#23 ドライバー)「Q1では、場所によっては少し濡れているところはありましたが、それほど大きな影響はなく、ほぼ完全にドライコンディションでした。テストからいろいろとクルマとタイヤあわせてアップデートした部分もあり、少しは差が縮まったかなと思いますが、まだ思っているレベルにはなっていません。明日は厳しい戦いになると思いますが、まずは自分たちができることをすべてやって、次のレースにつなげられる走りをしたいと思います」鈴木豊 (ニスモ 監督)「自分たちの中では、開幕前のテストと比較して若干の進歩を確認できましたが、そのテストでついていた差を大きく埋めるほどではありませんでした。これが現時点での実力と考えるしかない。それでもシーズンは始まりましたし、あきらめるわけにはいきません。全体的に波乱の多い予選になりましたが、そういうときにこそ自分たちができることをしっかりとやって、まずは取りこぼしのないようにレースを戦っていきたいと思います。去年後半戦から抱えている課題の中で、今朝の公式練習ではウェットタイヤのパフォーマンス向上が確認できました。このように明るい材料も見つかったので、他の課題に関してもひとつひとつ解消し、早くトップ争いができるようにならなければと考えています。明日は後方グリッドからのスタートになりますが、しっかり戦っていきたいと思いますので応援よろしくお願いします」GT300クラス 公式予選#3 B-MAX NDDP GT-Rは予選16位6年目のシーズンを迎えた長谷見昌弘監督率いるNDDP RACINGは、ヨーロッパへ武者修行に出ていた高星明誠が2年ぶりに復帰。星野一樹とのコンビが復活した。朝9時から行われた公式練習は時々日の差す曇天で、セッション終盤にはほぼドライコンディション。ここで高星が1分26秒794の3番手となるタイムをマークした。#3 GT-Rは開幕前の公式テストでもトップタイムをマークしており、午後の予選に向け期待が高まった。GT300クラスの予選Q1は、今にも雨が落ちて来そうな天気のもと、気温21℃、路面温度23℃というコンディションで午後2時45分に始まった。担当ドライバーは高星。15分のセッションで冷えたタイヤに熱を入れて徐々にタイムを上げていった。エントリー30台のうち29台が出走し、上位14台がQ2へ進出となる。しかし開始から6分が経過したところで、1コーナーでコースアウト&ストップした車両があり、赤旗が掲出されセッションは中断となった。8分後にセッション再開。この頃から雨がポツポツと落ちて来たが、路面を濡らすほどではなかった。計測7周目に1分27秒066を記録しこの時点で8位につけたが、これを上回るタイムをマークする車両も多く、順位は後退。高星はチェッカーフラッグが降られるまで、自己ベストタイムを更新し続け、1分27秒002までタイムアップするも16位でセッションは終了。0.1秒の僅差でQ2進出はならず、明日は16番グリッドからのスタートとなった。星野一樹 (#3 ドライバー)「このコースは元々GT-Rが得意とするサーキットではない中で高星が頑張ってくれましたが、Q2へ残れず悔しい結果になってしまいました。ただシーズンオフにはロングランをやってきて、レースに向けていい感触があったので決勝では何とかしたいです。とにかく粘り強く走ってポイントを獲得して、得意な富士へ向かいたいと思います」高星明誠 (#3 ドライバー)「Q1ではクルマのバランスが崩れ、朝のようなフィーリングが得られませんでした。雨の影響はほとんどなかったと思います。今回はQ1突破というのが僕の仕事でしたから、それができずチームに申し訳ない気持ちでいっぱいです。明日の決勝はいい状態で結果につなげられるよう頑張ります」長谷見昌弘 (NDDP RACING 監督)「高星は100%の走りをしてくれたけれど、クルマが、テストでは見られなかった状態になっていました。Q1は何とか突破できると思っ...