SUPER GT 第7戦「BURIRAM SUPER GT RACE」が、10月7日(土)、8日(日)の両日、タイの東北部ブリーラムに位置するチャン・インターナショナル・サーキットで、開催される。8月末に行われた前戦鈴鹿1000kmから1か月あまり。SUPER GTはシリーズ唯一の海外遠征戦となる第7戦タイを迎える。
SUPER GT唯一の海外遠征戦タイラウンド残り2戦。ウェイトハンデ半減でタイトル争いの正念場今年で4年目を迎えるタイラウンド。昨年も同じ10月第7戦としての開催だったが、昨年は中止となったオートポリスラウンドの代替戦が最終戦もてぎで行われた関係で、フルウェイトハンデで実施された。今年は予定通り最終戦のひとつ前ということで、ウェイトハンデはこれまでの半分、獲得ポイント×1kgで戦われる。今季新たに導入された新型車両 LEXUS LC500はシーズン序盤圧倒的な速さを見せ、開幕から4連勝を飾ったが、ウェイトハンデが厳しくなった第5,第6戦では苦戦。ドライバーズタイトル争いでも首位の座を奪われることとなったが、2位以降に5台が続き、残り2戦で充分に逆転を狙える位置につけている。ウェイトハンデ半減の今大会、そしてノーハンデとなる最終戦では、再びLEXUS LC500の速さが発揮されるだろう。LEXUS LC500参戦初年度でのタイトル獲得へ向け、逆襲が期待される。日本の国内は秋の風で涼しさを感じるようになってきたものの、常夏の国タイは10月でも厳しい暑さの中でのレースとなる。最終戦でのタイトル争いに向けどのチームが抜け出すか。文字通りの「熱い」戦いとなることは間違いない。意外にチャレンジングなテクニカルコースチャン・インターナショナル・サーキットは、富士スピードウェイや上海、セパン他、近年のサーキットを多く設計していることで知られるドイツ人デザイナー、ヘルマン・ティルケ氏の手によるもの。2014年に開設されたばかりのサーキットで、あまりアップダウンはなく、メインスタンドからコースがほぼ全部見渡せる、フラットなレイアウトだが、実際に走ったドライバーからはチャレンジングなコースとして好評だ。メインストレートからタイトな直角に近い右1コーナーを経て、長いストレート、そこから180度ターンしてもう一度ストレートというコース前半を過ぎると、後半はテクニカルセクションとなる。一見単調に見えるが、かなりのテクニックが必要とされるコースだ。ランキング2位以降に5台のLEXUS勢LEXUS LC500初年度タイトル獲得へ向け逆襲に期待開幕から4連勝を飾ったLEXUS LC500勢だが、その後はウェイトハンデに苦しみ、第6戦を終えた時点で、開幕戦で勝利を挙げた平川亮/ニック・キャシディ組 KeePer TOM'S LC500 37号車が首位と11ポイント差の2位。未勝利ながら表彰台3回の大嶋 和也/アンドレア・カルダレッリ組 WAKO'S 4CR LC500 6号車が同ポイントの3位で続いている。この2台は、開幕戦で1-2フィニッシュを飾り、40kg、30kgという重いハンデを背負って臨んだ第2戦富士で3位、2位と好成績を残しており、ウェイトハンデが半減された今大会でも速さを見せてくれるはず。平川は先週のヨーロピアン・ル・マンシリーズ(ELMS)スパラウンドで僅差の2位フィニッシュと速さを磨いてきている。また、昨年のタイラウンドでは6番手スタートから3位表彰台を獲得している6号車は、是が非でも今季初勝利が欲しいところだ。ランキング4位の中嶋 一貴/ジェームス・ロシター組 au TOM'S LC500 36号車(中嶋一貴は第2戦欠場のためランキングではロシターのみ3位)も12ポイント差とほとんど横並び状態で、ここで抜け出すべく力を見せてくるだろう。立川 祐路/石浦 宏明組 ZENT CERUMO LC500 38号車は16ポイント差、ヘイキ・コバライネン/平手 晃平組 DENSO KOBELCO SARD LC500 1号車が23ポイント差で追っているが、優勝すれば20ポイント、ポールポジションポイントを合わせれば、残り2レースで最大42ポイントが獲得出来ることを考えれば、まだまだチャンスはあると言える。1号車は昨年、最終戦もてぎでの活躍で大逆転チャンピオンを獲得しているだけに、このタイラウンドで、最終戦へ向けての足がかりをつかみたいところだ。そして、タイトル争いからは若干離されてしまっているものの、その分ウェイトハンデが軽く、昨年のタイラウンドウィナーということで優勝候補の1台と言えるのが関口 雄飛/国本 雄資組 WedsSport ADVAN LC500 19号車。昨年このタイラウンドでチーム、そしてこのコンビにとって悲願の初優勝をポール・トゥ・ウィンで飾った験の良いコースでもある。関口は2週間前のスーパーフォーミュラで今季2勝目と絶好調。国本もチャンピオンとして迎えたスーパーフォーミュラで、不運に見舞われるなどして結果には繋がっていないものの、ポールポジション獲得など確実に速さを見せ、また、スパ、ル・マンとWECに参戦してきた経験も活かし、名実共に日本のトップドライバーのひとりとして成長してきている。活気に溢れるコンビの2年連続勝利なるかにも注目だ。GT300クラスでも、第2戦で初勝利を挙げた中山 雄一/坪井 翔組 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 51号車が首位から16ポイント差の6位と充分に逆転タイトルを狙える位置につけており、若手コンビの活躍に期待がかかる。
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