5月25日(土)~26日(日)、鈴鹿サーキット(三重県)で2019年度SUPER GTシリーズ第3戦が開催され、GT500クラスに5台の2019年型NSX-GT、GT300クラスに3台のNSX GT3が出走した。ホームコースである鈴鹿サーキットで迎えた第3戦は、真夏を思わせる日差しの下で繰り広げられた。土曜日に行われた公式予選では、8台で行われるQ2に4台のNSX-GTが進出。
NSX-GT勢では最も重いウエイトハンディを科せられたNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)が3番手、No.16 MOTUL MUEGN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐)が6番手、No.1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)が7番手、No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)が8番手につけた。前日に引き続き、決勝日も朝から晴天となり、午後2時半の決勝レース前には気温29℃、路面温度42℃に達した。ドライコンディションで通常スタートが切られるのは今シーズン初めてのこと。クリーンなスタートを経て、No.8 ARTA NSX-GT(伊沢)は一つ順位を落とし4番手でレースを始め、7周目には周回遅れの処理の過程でさらに5番手まで順位を落とした。しかし18周目からセーフティカーが介入し、23周目にレースが再開されると、ピットイン義務を消化するチームが相次いだため順位が変動し、その間にドライバー交代を行なったNo.8 ARTA NSX-GT(野尻)は実質的な4番手のポジションを取り戻した。後方5番手にはNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(中嶋)、6番手にはNo.1 RAYBRIG NSX-GT(バトン)が続く。レース終盤、No.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(中嶋)はタイヤトラブルで、No.1 RAYBRIG NSX-GT(バトン)は周回遅れから接触を受けた影響で、それぞれ後退したが、No.8 ARTA NSX-GT(野尻)は前方を走る3台のレクサス勢に迫り、上位争いを展開した。しかし順位を入れ替えるには至らず、炎天下52周のレースを4位で走りきってチェッカーフラッグを受けた。この結果、No.8 ARTA NSX-GT(野尻/伊沢)はNSX-GT勢最上位のドライバーランキング4番手につけて、タイで開催されるシリーズ第4戦に臨むこととなった。佐伯昌浩 | 株式会社本田技術研究所 Honda GT プロジェクトリーダー「ミスであったり、残念なアクシデントがあったりしたなかで、ウエイトハンディの重い8号車が上位3台についていけました。今年からミッドシップハンディ15kgが増えたうえ、ポイントを獲ってウエイトハンディで重くなっていて、クルマにもタイヤにも影響があったはずですが、この高い気温の中でも上位とそん色ないペースで走れたので本来の戦闘力を発揮できたと手応えを感じました。これから開催される暑い時期のレースに対して、明るい見通しができたと思います」野尻智紀(4位)「土曜のフリー走行では、NSX-GT勢全車が想定外のグリップ不足に悩まされて下位に沈んでしまいましたが、そこからうまくアジャストできてNSX-GTらしい軽快な動きが戻り、予選ではウエイトを考えれば、いいスターティンググリッドを得られました。とはいえ、レースに向けて完全に課題がなくなったわけではありませんでした。その結果レース終盤でアンダーステアが強まったり、周回遅れと絡むと空力が抜けて扱いづらくなったりして、表彰台にあと一歩届かなかったことが残念です」伊沢拓也(4位)「昨年の鈴鹿ラウンドでは僕たちが勝ちましたが、今年は気温も上がり、フリー走行でコンディションが想定と大きく変わってしまったこともあって、難しい状況になりました。でもそこから取り戻し、荒れたレースでしっかり生き残ってポイントを重ねられたので、いい週末でした。決勝では抜かれた場面もありましたが、落ち着いてレースに取り組めたので、この結果を出せたのだと思います。もっと上位を狙うチャンスがあったかもしれませんが、今年は着実なレースをすることが大事だと考えています」
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