2022年度SUPER GTシリーズ第8戦が11月5日(土)~6日(日)にモビリティリゾートもてぎ(栃木県)で開催され、ホンダはGT500クラスに5台の2022年型NSX-GT、GT300クラスに2台のNSX GT3が参加した。レースウイークのモビリティリゾートもてぎは秋晴れとなり、土曜日には気温17℃と快適なコンディションの中、公式予選が行われた。Q1セッションでは、ポイントランキングでNSX-GT勢最上位の17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)が10番手に終わったが、他の4台がQ2セッションに進出、シリーズチャンピオン獲得の可能性を残している100...
また8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が6番手、64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)が7番手、16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)が8番手に続き、決勝レースを迎えることとなった。日曜日も快晴となり、午後1時に決勝レースが始った。ポールポジションからスタートした100号車 STANLEY NSX-GT(牧野)は危なげなく先頭のポジションを守ったまま第1コーナーに進入、そのまま後続を引き離していった。後方では6番手スタートの8号車 ARTA NSX-GT(野尻)が後続車に押されてスピン、大きく順位を落としたが5番手に64号車 Modulo NSX-GT(伊沢)、7番手に16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原)が続き、10番手スタートの17号車 Astemo NSX-GT(松下)は8番手へ順位を上げた。先頭を走る100号車 STANLEY NSX-GT(牧野)は、周回ごとに後続との間隔を広げて独走状態に持ち込んだ。ところが6周目にコース上で発生したアクシデントを処理するためにFCY(フルコースイエロー)が宣言され、継いでセーフティカーが介入して100号車 STANLEY NSX-GT(牧野)が稼ぎ出した後続との間隔は打ち消されレースは振り出しに戻った。一方、このアクシデントの混乱をうまくすり抜けた17号車 Astemo NSX-GT(松下)は4番手に進出、再スタートを迎えることになった。レースは21周目から再開された。トップの100号車 STANLEY NSX-GT(牧野)は再び後続を引き離しにかかり、23周を走った段階でドライバー交代のためピットイン。マシンを引き継いだ山本は実質上のトップを守ったままレースに復帰した。また24周目にドライバー交代を行った17号車 Astemo NSX-GT(塚越)も実質4番手を守ってレースに戻った。レース後半、先頭を走る100号車 STANLEY NSX-GT(山本)に2番手の12号車 カルソニックIMPUL Z(平峰一貴)が近づいてきたが、100号車 STANLEY NSX-GT(山本)はタイヤを労りながら燃費も考慮し、接近されると引き離すかたちでペースをコントロールしてレースを続けた。一方、4番手を走っていた17号車 Astemo NSX-GT(塚越)は、気温の低下とともにタイヤのグリップの低下によってペースが落ち、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(高星明誠)のオーバーテイクを許して5番手へ順位を下げた。そして、100号車 STANLEY NSX-GT(山本)は2番手の12号車 Zを1秒212差で抑え、63周を走りきって今季初めての優勝を飾った。17号車 Astemo NSX-GT(塚越)は5位でフィニッシュしたため、シリーズポイントランキングでは、今回のレースの結果得点を62点に伸ばした100号車 STANLEY NSX-GTの 山本/牧野組が60点の17号車 Astemo NSX-GT 塚越/松下組を逆転、NSX-GT勢最上位のランキング3位でシーズンを終えた。17号車 Astemo NSX-GTの塚越/松下組はランキング4位となった。なお、GT300クラスではARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織)がポール・トゥ・ウインで優勝を遂げた。佐伯昌浩(HRC SGT Large Project Leader)「今年マイナーチェンジを受けたタイプSをベースに開発したNSX-GTですが、年間を通してポイントをしっかり重ねて、サクセスウエイトのない今回のレースでポールポジションを獲って優勝したという結果は予定どおりだったと考えています。残念ながらチャンピオンシップを獲ることはできませんでしたが大差をつけられたわけではないので、タイトル奪還に向けて来シーズンに備えます。今日のレース結果については、100号車は完ぺきな2日間を過ごしたと思います。決勝レースでは2位とのギャップを見ながらトップを守る完全なレースでした。チャンピオンの可能性があった17号車については100号車ほどにはロングランのペースを上げられなかったので、その原因についてはこれから解析をしていきます。来年も変わらぬ応援をよろしくお願いいたします」山本尚貴(TEAM KUNIMITSU)「勝つことを一番の目標にレースを戦いました。前半を担当した牧野選手がすばらしい走りをして後続をぶっちぎってくれたので、このままなら余裕をもってピット作業ができるし僕もこのマージンを活かして後半は楽に戦わせてもらえるなと思っていたのですが、(セーフティカーでマージンがなくなった状態になった。その後、マシンを引き継いてからは)課題だったタイヤのウォームアップが非常によくて、そこからは後続を見ながらのレースになりました。予定していた燃料が入らなかったようで、無線で『もしかしたら燃料が足りなくなるかもしれない』と連絡が来たので、リフト・アンド・コースト(アクセルを抜いて空走すること)をしながら燃費走行に徹して後方との間隔を保って走りきりました。タイトルは獲れませんでしたがTEAM KUNIMITSUとHRCの強さを最大限に出し切れたと思います」牧野任祐(TEAM KUNIMITSU)「スタートから非常に順調だったのですがFCYが出て、(後続とのギャップが開いていたので)FCYでよかったと思っていたらセーフティカーになってギャップがなくなってしまいました。それでも、リスタート後もペースよく走ることができました。SUPER GTに参戦するようになって今までで一番気持ちよく走れたスティントでした。振り返るとあっという間の1年でした。今年は中盤戦にかなり苦労してしまったのですが、そこから巻き返すことができ、チャンピオンは獲れなかったものの最終戦を完ぺきなかたちで締めくくることができたので、来年につながるレースができたと思います」
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