鈴鹿サーキットでSUPER GT第3戦が行われ、予選で全車Q1敗退とサクセスウェイトに苦しんだGR SUPRA勢は決勝で追い上げを見せ、関口雄飛/坪井翔組 au TOM'S GR Supra 36号車が5位フィニッシュを果たした。また、GT300クラスでは三宅淳詞/堤優威組 たかのこの湯 GR Supra GT 244号車が初勝利を飾った。SUPER GT第3戦「FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE」が8月21日(土)、22日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。
当初の5月末予定から8月へと延期されていた第3戦鈴鹿ラウンドがようやく開催となった。全8戦で予定されている今シーズンの4戦目で、前半戦を締めくくる大会となる。今季、GR SUPRAは開幕戦でトップ4独占という幸先の良いスタートを切り、第2戦と前戦の第4戦は勝利こそ逃したものの2位、3位表彰台を獲得。 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車がランキング首位、ランキングトップ7のうち5台をGR SUPRAが占める速さを見せている。しかし、これにより各車のサクセスウェイトも重くなっており、中盤戦へ向け着実にポイントを重ねて行くための重要な一戦となった。今大会もKeePer TOM'S GR Supra 37号車のシーズンエントリードライバーとして登録されているサッシャ・フェネストラズが入国できなかったため、代役として阪口晴南がドライブ。この阪口晴南が乗るはずだったGT300クラスのK-tunes RC F GT3 96号車は、開幕3戦でドライブしていたTGR-DCドライバーの平良響が体調不良に見舞われたため、同じくTGR-DCドライバーの小高一斗がドライブする。また、埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車はレギュラードライバーの川合孝汰が欠場となり、番場琢が代役で出場する。今大会も新型コロナウイルス感染拡大防止策を十分に配慮した上で、有観客で開催。イベント広場には、GR 86とSUBARU BRZを合同展示したほか、公開中の映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」の撮影で使用されたGR SUPRAなどが展示され、モータースポーツファンの皆様の注目を集めた。予選21日(土)は降雨の予報もあり、直前に行われたFIA-F4のレース中には軽く路面を濡らす場面も見られたが、その後雨は止み、コースの一部に濡れた部分を残すものの、ほぼドライ、気温27度、路面温度31度とこの時期としては涼しいコンディションで、で午後2時30分よりノックアウト方式の予選が開始された。GT500クラスのQ1は、上位8台がQ2へと進出する。10分間のセッション、今回は天候もあり比較的早めにコースイン。タイヤを暖め、アタックに入った3周目、国本雄資のドライブするWedsSport ADVAN GR Supra 19号車がその時点でのトップにつけたが、その後ライバルがタイムを更新。その後もアタックを続けたが、重いサクセスウェイトにも苦しめられ、19号車が最上位の9番手。ZENT CERUMO GR Supra 38号車が10番手、36号車が12番手、DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が13番手、37号車が14番手、14号車が15番手で、GR SUPRA勢は全車がQ1敗退という厳しい結果に終わった。GT300クラスは、Q1を2組に分けて実施。A組では織戸学がドライブするTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 30号車が5番手と好タイム。ジュリアーノ・アレジがドライブするarto RC F GT3 35号車も1分58秒台に入れ、6番手で自身初のQ2進出を決めた。66kgと重いサクセスウェイトを積む52号車は10番手、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 31号車は12番手とタイムを伸ばせず、Q1敗退となった。Q1のB組では、午前中の公式練習走行で6番手と速さを見せていた96号車が、コースインしてすぐにブレーキのトラブルに見舞われ、アタックできず。一方、244号車の堤が1分57秒台という素晴らしいタイムを叩き出し、トップでQ2へ。69kgのサクセスウェイトを積むSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 60号車は10番手でQ2進出を逃した。Q2では、244号車の三宅がやはり57秒台に入れるが、ライバルがこれを上回り、それでも3番手と好グリッドを獲得。30号車が9番手、35号車が13番手から決勝レースに臨むこととなった。決勝22日(日)も雨の予報があったが、スタートを前にした午後2時過ぎには晴れ間も見え、気温31度、路面温度43度という暑さのドライコンディションでのスタートを迎えた。直前のウォームアップ走行でアクシデントが発生した影響で、予定よりも10分遅れの午後2時40分、2周のフォーメーションラップの後に、52周で争われる決勝レースのスタートが切られた。19号車の9番手を最上位に、後方グリッドに並ぶこととなったGR SUPRA勢は、立川祐路がスタートを担当した38号車が序盤から気を吐き、すぐに19号車をかわして9位に上がると、2周目にはさらに前車をパスし8位、さらに前の車両に追いつき、7位争いを展開した。6周目、首位を走行していた車両がクラッシュし、フルコースイエローからセーフティカーが導入。これで38号車は7位、19号車が9位、36号車が10位、37号車が12位、39号車が13位、14号車が14位で12周目に再スタートが切られた。勢いに乗る38号車立川は、15周目のシケイン進入で6位、18周目には5位へと見事な追い上げを見せた。最低周回義務となる全52周の3分の1である18周を過ぎると、ドライバー交代のためのピットが始まった。5位、6位を走行していた38号車とヘイキ・コバライネンの39号車は21周目を終えたところでピットイン。その後37号車、36号車らもピットへ向かい、レースが折り返す26周目にはGT500クラスは全車がドライバー交代を終了。ピットタイミングの戦略などもあり、その時点でGR SUPRA勢では38号車が最上位の9位、36号車が10位、39号車が11位、37号車が12位と後方順位へと戻ってしまいたが、そこから後半戦、GR SUPRA勢の猛烈な追い上げが開始された。中でも素晴らしい走りを見せたのが、36号車を関口から受け継いだ坪井。坪井は29周目に38号車石浦宏明をかわすと、32周目のストレートでライバルを抜き去り7位、37周目にはGT300クラスの周回遅れを上手く利用して6位へとポジションを上げた。この時点で前の車両と6秒ほどの差があった坪井でしたが、じりじりとその差を詰めていき、42周目にはテール・トゥ・ノーズに。43周目の1コーナー進入でパスし、5位へとポジションを上げた。その後方では、8位につける38号車の石浦、11位の37号車平川亮が僅差で前の車両とのバトルを展開。38号車石浦は、三つ巴の6位争いを繰り広げ、48周目に7位に上がると、ファイナルラップの1コーナー進入でアウトから仕掛けたが、立ち上がりでグリップを失い無念の失速。しかし、最後まで諦めないファイティングスピリットは観客を沸かせた。5位を行く36号車坪井も最後まで前車を...
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