SUPER GTのGT500マシンとDTM(ドイツツーリングカー選手権)マシンによるドリームレース『AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT×DTM 特別交流戦』が11月22日(金)、23日(土)、24日(日)に富士スピードウェイで開催される。GT500の3メーカー+DTMの2メーカーの計22台が激突するSUPER GT×DTM 特別交流戦には、DTMのチャンピオンやF1、GT500で活躍したゲストドライバーも参戦し、SUPER GTのシリーズ戦とはひと味違うDTMライクなスプリントレースが展開される。
■DTMドライバーには今季チャンピオンだけでなく豪華なゲストが参戦SUPER GT×DTM 特別交流戦にはGT500クラスのレギュラーチーム、15台が揃ってエントリー。DTMからは7台のマシンが参戦。Audi RS 5 DTMの4台、BMW M4 DTMの3台がGT500マシンと対決するために来日する。またDTMドライバーのラインナップも豪華だ。まずは今季のDTMを初参戦ながら16戦6勝でシリーズ制した新鋭、レネ・ラスト(No.33 Audi Sport RS 5 DTM)は勿論優勝候補に挙げられる。彼と、今季のGT500覇者となった大嶋和也や山下健太(No.6 WAKO'S 4CR LC500)とのバトルは注目だ。そしてAudi陣営にはGT500で王者経験をもつ懐かしい顔が2人。2010年にHonda HSV-010 GTでGT500の王者になったロイック・デュバル(No.28 BMC Airfilter Audi RS 5 DTM)。2008年にNISSAN GT-RでGT500を制し、その後はAudiワークスとして3度のル・マン24時間制覇を成し遂げたブノワ・トレルイエ(No.21 Audi Sport Japan RS 5 DTM)が富士に帰ってくる。さらに2013年のDTMチャンピオンで、今季ランキング4位のマイク・ロッケンフェラー(No.99 Akrapovic Audi RS 5 DTM)の走りにも期待がかかる。一方のBMW陣営では、DTMで2014年と2016年にチャンピオンを獲得し、今季はランキング最上位の3位につけたマルコ・ヴィットマン(No.11 BMW M4 DTM)が参戦。そして驚きのゲストドライバーが2人。まずはF1で活躍しインディではチャンピオンとなったアレッサンドロ・ザナルディ(No.4 BMW M4 DTM)。彼はレースの事故で両足を失うが、両腕だけで走ることができるBMWマシンでWTCCに参戦して表彰台に上った強者だ。以前にDTMへもゲスト参戦しているだけに走りも楽しみである。そして、なんと昨年のGT500でLC500を駆り第4戦で優勝した元F1ドライバーの小林可夢偉がNo.00 BMW M4 DTMでサプライズ参戦。DTMマシンはまったく初めてではあるが、GT500の経験、鈴鹿10時間耐久レースではメルセデスAMG GT3を乗りこなすなど、マシンを問わずに速さを発揮するだけに要注意ドライバーであろう。■いつものSUPER GTとはひと味違うDTMスタイルのレースフォーマット今回のSUPER GT×DTM 特別交流戦はSUPER GTのシリーズ戦とは違い、スプリントレースのDTMのレースフォーマットを基本に行われる。これはレース1(23日・土曜)とレース2(24日・日曜)にそれぞれ予選と決勝レース(55分+1周)が行われる。タイヤ交換を伴うピットインは義務付けられるが、ドライバー交代、給油はなし。GT500チームは基本的にはレース1とレース2で別のドライバーとなる(No.1 RAYBRIG NSX-GTの山本尚貴とNo.17 KEIHIN NSX-GTの塚越広大は2レースとも走行)。DTMのパッシングアイテムであるDRS(ドラッグ・リダクション・システム:リアウイングの角度を変えてスピードを上げる)とプッシュ・トゥ・パス(一時的に燃料流量が増やせるオーバーテイク・システム)は使用不可。もちろん、ウェイトハンディはなしだ。タイヤだが、SUPER GTでは通常チームごとにタイやメーカーを選べるが、今大会はDTMがシリーズで使用するハンコックタイヤのワンメイクとなる。■まったく読めないレース展開。GT500でも思わぬドライバーが大活躍!?このようにGT500レギュラーチームにとってもレース方式が違い、タイヤが違うと富士で開催という以外に、大きなアドバンテージがない状況だ。富士という地の利も、GT500経験の小林可夢偉やトレルイエ、デュバルにとってはないも同然。それだけにレース展開も優勝候補もまったく予測不可能だ。特にハンコックタイヤでの富士のレースはGT500ドライバー全員が未知数。21日(木)、22日(金)に行われるテスト走行と公式練習だけでマシンセットを決めなければならない。それ故、ドライバー個々の的確なセッティング能力がいつも以上に問われることとなる。この点でDTMの最終戦に参戦してきた松田次生/ロニー・クインタレッリ(No.23 MOTUL AUTECH GT-R)と平川 亮/ニック・キャシディ(No.37 KeePer TOM'S LC500)はおもしろい存在になりそう。ただ、2人が走るSUPER GTに比べて1人1レースの今大会は「自分に合ったマシンにできるから、とても楽しみ」と言うドライバーもおり、自分好みのセッティングで、若手など意外なドライバーが大活躍というシーンもあるかも。このようにSUPER GT×DTM 特別交流戦は、SUPER GTシリーズ戦とは違う様相のレースとなりそうだ。
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