スーパーフォーミュラの第6戦が、9月23日(土)、24日(日)の両日、宮城県柴田郡村田町に位置するスポーツランドSUGOで開催される。全7戦で戦われている2016年のスーパーフォーミュラもいよいよ残り2戦。最終戦へ向けての山場となる一戦の舞台は東北の山間に位置し、『魔物が棲む』と言われるSUGOのテクニカルコースだ。
最終戦を前にした大一番「魔物が棲む」SUGOを制するのは?世界レベルのドライバー参戦により、非常にハイレベルな戦いが繰り広げられている近年のスーパーフォーミュラ。ここ数年、シリーズチャンピオンは日本人が獲得しているが、今年は特に若手を含めた外国人ドライバーの活躍が目立つ状況となっている。前戦まで5戦、6レースを終えた時点で、ランキング首位に付けるのは石浦宏明(P. MU / CERUMO・INGING)。しかし、2位から4位まではルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)、アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)を含む外国人勢が占める。これに続くのが中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)、関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、小林可夢偉(KCMG)らで、チャンピオン獲得に向けてSUGOでの巻き返しを狙っている。最終戦は2レース制で、それぞれに優勝ボーナスがつくために、大量得点での大逆転が見込める。最終戦での大逆転劇もスーパーフォーミュラならではだが、毎戦ほんの僅かな差で大きく順位が入れ替わり、全く読めないバトルが繰り広げられているだけに、少しでも有利な位置で最終戦に臨むべく、このSUGOラウンドは非常に重要な一戦となる。 東北の山間に位置するアップダウンに富んだテクニカルコース舞台となるスポーツランドSUGOは宮城県の山間部に位置し、ロケーションを上手く利用したアップダウンの激しいテクニカルコースとして知られる。高低差は約70m。バックストレートまでの前半はテクニカルなセクション。バックストレートを下って馬の背コーナーをクリアした先は、中高速コーナーが続き、最終コーナーからメインストレートへは、10%勾配という急な上りの名物コーナー。レーシングカーがその大馬力を見せつけるかのように一気に駆け上ってくるシーンは大迫力だ。観客席からも比較的近く、迫力の走りを身近に実感出来る。タイトル争いは石浦が一歩リード最終戦での逆転へ向けトップドライバー達がしのぎを削る昨年のSUGO大会は、ポールポジションの関口が独走中にセーフティカーが導入され、マージン帳消しという不利な状況となりながらも、再スタート後圧倒的な速さで後続との差を広げ、優勝を飾った。昨年の結果を考えれば、今年も優勝候補の筆頭は関口と考えるのが妥当だ。それに続くのは一昨年のSUGOウィナーであるロッテラーと、毎年SUGOでは上位フィニッシュを続けている中嶋一貴のトムス勢。この2人もランキング4位、5位とまだまだ逆転タイトルの可能性は残しており、今大会は必勝態勢で臨んでくるだろう。そして、2位に5.5ポイント差と頭ひとつ抜けてランキング首位につけている石浦は1点でも多くポイントを稼ぎ、少しでも有利な状況で最終戦に臨みたいはず。タイトル争いは残り2戦、最終戦が2レース制のボーナスポイントありということで、この2戦で最大29ポイントを獲得出来る。計算上で言えば、現在ポイントを獲得している17名のドライバー全てに逆転タイトルの可能性は残されているが、上位ドライバーも当然ポイントを重ねてくるので、現実的に逆転の可能性があるのは首位石浦と16ポイント差につけるランキング7位の小林あたりまでだろうか。小林もデビューイヤーの2015年にSUGOで6位に入っており、上り調子の今季、まだ届いていない表彰台の中央を期待したい。追い越しの難しいSUGOなので、まずは予選が最重要となる。ポールポジションで獲得出来る1点も大きい。土曜日の予選からいつものように、100分の1秒、1000分の1秒単位での激しいアタック合戦が繰り広げられるのは間違いない。「魔物が棲む」SUGOでのタイトル争いへ向けた大一番、見逃せない一戦となるだろう。
全文を読む