スーパーアグリの運命は、ホンダに委ねられた。スーパーアグリは、ヴァイグル・グループとのスポンサー契約が最終段階にあることを共同声明という形で公表した。ヴァイグル・グループ側もスーパーアグリを支援することを明言しており、残る障害はホンダの承認のみとなった。スーパーアグリが新たな契約を結ぶにはホンダの承認が必要となる。
ヴァイグル・グループがチーム救済を断言したことで、残る障壁はホンダの判断だけとなった。だが、ホンダは今回のスーパーアグリの声明に否定的なコメントを残している。ホンダF1のニック・フライは、ロイターに対し「鈴木亜久里が投資家を探し続けていることは承知しており、彼が成功することを祈っている」と語った。「1年間パートナーを探し続けているが、今後48時間以内にふさわしい人物が現れる可能性は残念ながら少ないだろう。ヴァイグルのような規模の会社が、競争力のあるF1チームを支援することは不可能に思える。もちろん、我々の知らない他のパートナーがいれば別だがね。」ホンダは、以前にヴァイグル・グループが提案した際、ヴァイグ・グループの資金力を疑問視し、関与に興味を示さなかったとされている。現在、スーパーアグリのマシンは、ホンダのイギリス・ブラックリーのファクトリーにあるとされている。スーパーアグリのマシンがホンダの工場に運ばれたのは、何らかの補修、または継続参戦が決定してから空輸するという理由のほか、本来の所有者に返納されたとの憶測も飛び交っている。SA08Bの準備ではなさそうだ。これまで様々なスーパーアグリに関するスポンサー契約話が持ち上がったが、その全てにおいてホンダの承認が影響していたことは周知の事実。インドのスパイス・グループとの提携話が持ち上がった際は、スパイス・グループ側が、インド人ドライバーであるナレイン・カーティケヤンをドライバーにすることを条件とし、それをホンダが飲まなかったとされている。ホンダは、スーパーアグリに独立したF1チームとなることを求め、今後は1戦ごとの支援を行わないことを明言している。ヴァイグル・グループが、資金面・技術面でスーパーアグリを養っていけるかどうかは現時点では不明ではあるが、少なくとも、トルコGPを前にスーパーアグリが消滅するか存続するか、生かすも殺すもホンダの判断にかかっているのは間違いないだろう。