2021年のF1世界選手権 第4戦 F1スペインGP 決勝でのタイヤ戦略をF1公式タイヤサプライヤーのピレリが解説した。メルセデスのルイス・ハミルトンが、ソフト~ミディアム~ミディアムと繋ぐ2ストップ戦略でレッドブルのマックス・フェルスタッペンを抜き、戦略的な闘いとなったスペイングランプリを制した。フェルスタッペンは、P Zeroレッドソフト~P Zeroイエロー・ミディアムによる1ストップ戦略でハミルトンを抑えようと試みていた。
ハミルトンにオーバーテイクされた後、フェルスタッペンはソフトタイヤへ交換する2回目のピットストップを行い、ファステストラップポイントを獲得した。2位から8位までのドライバーが、ソフト~ミディアム~ソフトと繋ぐ2ストッパーだった。9位でフィニッシュしたアルピーヌのエステバン・オコンは、1ストップ戦略を採った2名のドライバー中のひとりで、ソフトからミディアムへ交換した。もうひとりの1ストッパーは、アルファロメオのキミ・ライコネンだった。ライコネンは、ミディアムからソフトへと交換した。ウォリアムズのジョージ・ラッセルとハースの両ドライバーがハミルトンと同じ戦略を採った。ウイリアムズのニコラス・ラティフィは、ただひとりの3ストッパーだった。路面温度は、昨日の予選時よりも10℃ほど低い32℃、気温は26℃だった。■各コンパウンドのパフォーマンス【ハードC1】レースでの使用はなかった。気温が低くなったことで、より軟らかいコンパウンドの使用が促された。【ミディアム】アルファロメオのキミ・ライコネンのみがミディアムでスタートし、37周目にソフトタイヤへ交換した。フェルスタッペンは、第2スティントの36周をミディアムで走行した。アルピーヌの両ドライバーがミディアムで長いスティント(フェルナンド・アロンソが40周、オコンが42周)を走行した。【ソフトC3】ライコネン以外の全ドライバーがソフトでスタートした。ハミルトンとフェラーリのシャルル・ルクレールは、ソフトで28周のオープニンスティントを走行した。マリオ・イゾラ (ピレリF1およびカーレーシング責任者)「緊迫した戦略的闘いが展開されました。アクション満載で多くのピットストップが行われたなか、トップ4がスタート時と同じ順位でフィニッシュしたことはサプライズかもしれません。低くなった気温がソフトとミディアムの使用を促進し、我々の予測どおり、2ストップ戦略が主流となりました。大半のドライバーがソフトでスタート後にミディアムへ交換し、戦略上の柔軟性を得ました。しかし、路面の粗さとタイヤに高い負荷を課すトラックの特性によって、2ストップの必要性が明らかになりました。結果的に、レースの鍵となったソフトタイヤの性能が高く評価されたと思います」
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