昨年、ポイント争いに滅多に加わることができなかったザウバーだが、今シーズンは少なく昨年よりは良いスタートを切っている。1つの鍵となる決定は、1年落ちのフェラーリF1エンジンを使用するという決断かもしれない。昨年中にその決定を発表した際には、ザウバーは2017年に苦戦を強いられるとする見方が多かった。
だが、昨年はトロ・ロッソが同じことをしてコンストラクターズ選手権を7位で終えており、少なくともザウバーは同じ順位を狙えるかもしれない。トロ・ロッソは、土壇場でのルノーF1エンジンからの変更であり、一時的な契約だった。しかし、ザウバーは昨シーズンも同じスペックのフェラーリF1エンジンを使用しており、2016年中からそのパワーユニットの寸法を用いてC36の開発を進めてきた。ザウバーは、プレシーズンテストで走り出しから高い信頼性をみせている。だが、その一方でシーズンあたりのエンジン使用数は4基に減っており、レギュレーション変更の効果で2017年F1マシンはフルスロットルの時間が増えるため、そこが大きなクエスチョンマークとなる。また、トークンシステムが廃止されたことで、他のエンジンは昨年よりも速いレートでエンジンを開発することができる。ザウバーのドライバーを務めるマーカス・エリクソンは、チームは序盤戦で結果を出さなければならないことはわかっていると語る。「現時点で僕たちはまだ他との戦いの中にいると思う」とマーカス・エリクソンはコメント。「ここまで大きな不利になっているとは思わない。まだ言うのは難しいし、みんながどんなエンジンセッティングで走っているかもわからない。でも、スピードトラップなどを見れば、僕達のパフォーマンスが大きく不足しているようには見えない。少なくともシーズン序盤戦は大きな不利は見られないと思う」昨年、ロングボウ・ファイナンスによる買収によって、ザウバーはシャシー開発を向上さえることができた。昨年は1回目のテストに新車を投入することはできなかった。「チーム内でそれが大きな違いだ」とマーカス・エリクソンは同意する。「クルマの発表から今までに多くのアップデートがあった」「フロアも新しいし、バージボードなどいろいろなものが異なる。1週間で昨年1年とほぼ同じくらいのアップデートがあった。間違いなく大きな違いだし、とてもポジティブだ」「シーズン前半に僕たちが結果を出し、強い必要があるのは確かだ。エンジンメーカーは何もしないわけではない。チャンスを最大限に生かすには序盤にそこにいる必要がある」
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