佐藤琢磨は、2019年のインディカー・シリーズ 第3戦アラバマで、今シーズン初、キャリア4回目の優勝を達成した。この勝利で佐藤琢磨はシリーズポイントスタンディングの3番手に浮上している。インディカーシリーズ第3戦はアメリカ南部のアラバマ州バーミンガムでのHondaグランプリオブアラバマです。10回目の開催となるレースは、もう随分と地元に定着し、緑豊かなアップダウンに富むバーバーモータースポーツパークには今年もとても多くのファンが集まった。
雨の心配もされた週末だったが、予選、レースを含め、インディカーの走行はすべてドライコンディションで行われた。全長2.3マイルのテクニカルなサーキットを90周する決勝レースでポールポジションからスタートした佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、最初のコーナーに到達するまでに予選2位だったチームメイトのグレアム・レイホールに十分な差をつけてトップを守り、そこからのレースを完全に支配下に置いた。3ストップ作戦を選んだ佐藤琢磨は、ライバル勢より明らかに速かった上に、非常に安定した走りを続け、2回のピットストップを終えた後もトップを維持。その後に1台のマシンによるアクシデントで出されたフルコースコーションは彼にとっては少し早いタイミングだったが、それが大きな不利として作用することはなく、最後のリスタートをレースリーダーとして迎えることとなった。そして、そこからゴールまでの25周は燃費をセーブしながらハイペースで走り続ける非常に難しい戦いとなったが、佐藤琢磨はトップを守り続け、チェッカーフラッグを受けた。90周のレースの74周でトップを走っての圧勝で今シーズン初、キャリア4回目の優勝を記録した。この勝利で佐藤琢磨はシリーズポイントスタンディングの3番手に浮上している。佐藤琢磨は現在42歳で、2019年のインディカーシリーズに出場しているドライバーの中では上から2番目の年齢。彼の勝利は、同じくホンダドライバーのコルトン・ハータが18歳で最年少ウインを記録した2週間後に達成された。2位でゴールしたのは予選3位だったスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)、3位は予選5位から2ストップ作戦を採用したセバスチャン・ブルデー(Dale Coyne Racing with Vasser-Sullivan)だった。2人のベテランによるバトルはゴール直前の10ラップで激しさを増したが、ディクソンがポジションを守り抜き、今シーズン早くも2回目の2位でフィニッシュした。バーバーモータースポーツパークでのインディカーレース10戦すベてに出場しているディクソンは、今回が実に6回目の2位フィニッシュとなった。そして、今季2回目の表彰台フィニッシュにより、シリーズポイントスタンディングは2番手を保っている。佐藤琢磨、スコットディクソン、セバスチャン・ブルデーのHondaドライバー3人がHondaグランプリオブアラバマで1-2-3フィニッシュを飾り、表彰台独占を果たした。ホンダにとって、この勝利はサーキット・オブ・ジ・アメリカスでの第2戦に続く2連勝ともなった。アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)は5位、ジェームズ・ヒンチクリフ(Arrow Schmidt Peterson Motorsports)は6位でゴールし、ヒンチクリフのチームメイトでルーキーのマーカス・エリクソンは7位、ライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)が8位でフィニッシュし、ゴール間近になってからパワー(シボレー)をパスしたルーキーのフェリックス・ローゼンクビスト(Chip Ganassi Racing)は3戦目にして2回目のトップ10入りとなる10位でレースを終えた。次戦は今週末、舞台を西海岸のカリフォルニア州ロングビーチのストリートコースに移してのACURAグランプリオブロングビーチ。2013年に佐藤琢磨がインディカー初勝利を飾ったコースは、2017年にヒンチクリフ、2018年にロッシとホンダドライバーが2年連続優勝しており、ACURAがタイトルスポンサーになった本年も活躍が期待される。佐藤琢磨(優勝)「今日の勝利を私に実現させてくれたチームオーナーたち、ボビー・レイホール、デイビッド・レターマン、マイク・ラニガンに深く感謝します。常に協力をし合って働いているチームメートのグレアム・レイホールにも同じく感謝します。今日は私たち2人のどちらもが高い競争力を発揮すると分かっていました。グレアムにトラブルが起こってしまったのは残念でなりません。しかし、こうして私が優勝できたので、チームにとっては素晴らしいレースとなりました。1回目のピットストップは少し時間がかかりました。それは私たちのカーナンバー30に新しいクルーがいて、彼らがまだ作業に完全に慣れていないところがあるからです。レースではこのようなことが起こる時もあります。私もミスをすることはあります。ミスをしてもいいんです。私たちは、あの後もトップでコースに戻ることができましたからね。そして、今日はマシンが本当に素晴らしかった。自分としては、ちょっとプッシュし過ぎた走りになっていたかもしれません。とても緊張感に満ちたバトルが続いており、私はとてもいいレースを戦うことができました」
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