佐藤琢磨は、インディカー 第14戦ポコノの決勝で原因不明のハンドリング問題に苦しんだ。前日の予選では最速タイムを記録してポールポジションを獲得した佐藤琢磨。スタートこそ首位だったが、その後はズルズルと後退する厳しい展開。予選で見せたスピードが決勝では一切発揮されない悔しい戦いとなり、13位でレースを終えることになった。
「苦しみました。すいません。もう全然スピード上がらなかったです」と佐藤琢磨はコメント。「オープニングラップからカナーンがターン2のキンクから合わせ込んでで、アクセルを踏んだ瞬間から抜かれちゃうんですよね。最初のスティントはもう1周1台ずつ抜かれて、全然スピード上がらなくて」「フロントタイヤのプレッシャーも上がってこないし、フロントウィングは6ターンも今回上げたんですね。こんなケースないです。後ろも3ターン(1.5度)くらい落として、それも今までチームのヒストリーでないって言っていました」「フロントバーのポジションもチームメイトと比べて全然軟らかくしててもクルマが曲がんなくて、単独でも曲がりきれない。まったくスピードが伸びませんでした。苦しい500マイルでした」アンドレッティ・オートスポーツのチームメイトであるアレキサンダー・ロッシは3位、予選でクラッシュしたライアン・ハンターレイも8位と健闘しているなかでの苦戦。だが、チーム間のセッティングに違いはないと佐藤琢磨は語る。「そんなにないと思いますね。特にライアンは昨日の予選走っていないですし、ほとんど他のクルマからのコピーと、去年ももちろん彼非常に良いレースをしたので、ベースというかファンデーションになるクルマはそれなんですけど、かと言って、大きく違うわけではない」「例えば、ライアンのフロントバーはほとんどフルスティックというか一番硬い状態に近い状態で最後周回している。僕らはその真逆だったので、何でこんなことになっているのかサッパリわからないですし、今、エンジニアも大混乱です。クルマはセットダウン(各部のチェックと車高やアライメントを計測)ですね。ここでやるか、ファクトリーに戻してやるかはわからないですけども、0.1ミリ単位でクルマをちょっと全部セットダウンして、何がおかしくてこんなになっちゃったのか、せっかく素晴らしいスピードを記録してポールスタートだったにも関わらず、非常に遅いクルマで、ちょっと残念なレースでした」次戦はショートオーバルのゲートウェイ・インターナショナル・レースウェイでのレースとなる。久々のレース復帰となるセントルイスでは5月にテストが実施されたがタイヤ問題で中止に。佐藤琢磨にとっては初めてのレースとなる。「セントルイスは僕は全然10何周しか走れなくて、トラブルになっちゃいまして、あのテストはタイヤが切れるという症状が出て、中止なってしまったので、その後、各チーム1台ずつのテストでライアンが担当しましたから、僕は走ってないんですね。この間のライアンのテスト、そこそこだったんですけども、ショートオーバルはかなり苦戦を強いられると思うので、出来る限り上位でフィニッシュできるように精一杯頑張りたいと思っています」