佐藤琢磨は、インディカー 第14戦ボルチモアの決勝レースで、一時は首位を走行するも、燃圧の問題でリタイアした。コース上の一部で雨が降っていることを考慮に入れた戦略でこのレースに臨んだ佐藤琢磨は、まず5位まで躍進。続いて24〜35周目には首位を走行した。ところが、75周のレースの50周を走りきったところで燃圧のトラブルが発生。このためリタイアに追い込まれ、21位とされた。
佐藤琢磨「シケインの影響でスタートは難しいものとなりました。グリッドの後方からスタートした僕は、シケインの手前のターン12付近を走行しているときにグリーンランプが点灯しました。数周走った時点ではオーバーテイクが難しく、この段階でひとまず膠着状態に陥ります。ところが、その後は天候が大きく僕に味方してくれました。雨が降り始めたので、僕はもちろんニヤリとしました。とはいえ、それは不思議な空模様でした。メインストレートはダンプ・コンディションというよりもかなり濡れているのに、バックストレートはドライだったのです。それでも、僕たちは当初のプログラムに従って走行を続けました。コンディションは難しいもので、多くのドライバーがウェットタイアへの交換を行いましたが、僕たちはあくまでもスリックタイアで走行を続けたおかげで大きくジャンプアップし、5番手に浮上しました。さらにリスタートでもポジションを上げ、首位に立ちます。その後も順調にトップを走行していましたが、ここでトラブルが発生してしまいます。おそらく、燃圧のトラブルだったと思います。エンジンは咳き込むようになり、パワーが落ち込んでしまったのです。特にリスタートではパワーがまるでなくなってしまったかのような症状となり、たくさんのドライバーに抜かれてしまいました。リスタートは毎回困難なもので、おそらくエンジン・レスポンスの影響でギア・チェンジも難しくなっていました。最終的にリタイアしなければならなくなったのは、ひどく残念でした。メカニックたちの働き振りは素晴らしく、週末の間に2度エンジン交換を行うハードワークをこなしてくれました。このような作業により、驚くほどコンペティティブにレースを戦えたことは、僕にとって大きな誇りです。したがって、いい結果が得られなかったことは本当に残念でした」
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