佐藤琢磨は、インディ500で終盤まで優勝争いを演じたものの、フィニッシュまであと3ターンを残すのみとなったときにダリオ・フランキッティとの攻防から接触を喫し、17位でフィニッシュした。優勝はダリオ・フランキッティ。19番グリッドからスタートした琢磨は数多くのライバルをオーバーテイク。レースの大半で優勝争いを演じたほか、合計3度、通算31周を首位として周回した(119〜123周、126〜146周、148〜152周)。これは全ドライバーのなかで3番手に相当する。
フロントストレートで勢いを得た佐藤琢磨は、ファイナルラップのターン1でウィナーとなるフランキッティに襲いかかったものの、フランキッティとの接触を避けるためにコースのインサイド、ギリギリを走行することになり、ここでトラクションが低下したのをきっかけにコントロールを失い、17位に終わった。佐藤琢磨「信じられないような週末でした。いえ、週末だけでなく、5月はまるで信じられないような1ヵ月間でした。僕は優勝目指して走っていました。最後のリスタートで、僕たちは7番手から5番手にジャンプアップし、そこから4番手、3番手、2番手と順位を上げていきます。僕は攻め続け、オーバーテイクを繰り返しました。最後のラップで、僕はダリオのトウ(スリップストリーム)を上手く利用してスピードを伸ばしていきました。自分自身は『これでうまくいった』と思っていました。けれども、彼はどんどん僕に近づいてきて、スペースを残してくれなかったため、僕はホワイトラインまで追い込まれてしまいました。けれども、チームは本当に素晴らしい仕事をしてくれました。本当にエキサイティングなレースだったと思います。僕は首位に立ったときも落ち着いていました。まだまだ先は長いので、チームの指示に従っていたのです。最後の30周はかなりエキサイティングでした。30ラップの間に起きた2回のイエローで、僕は順位を上げるチャンスを掴んだのです。ダリオと並んだときは『これで成功した』と心の中で呟きました。僕はダリオとサイド・バイ・サイドとなってターン1から脱出し、ターン2とターン3にはトップで進入できると期待していました。けれども、期待どおりにことは運びませんでした。彼はもう少しスペースを残しておくことができたし、そうすれば何の問題もなくコーナーをクリアできたはずです。ターン1に進入するときはもうホワイトラインの下側を走っていました。モノコックの中央とラインが重なっているくらいでした。ほとんどグリーンに乗り上げており、そこでマシーンがスライドを始めたのです」関連:佐藤琢磨、首位争いの最終ラップに無念のクラッシュ (インディ500)