佐藤琢磨は、2021年のインディ500の決勝レースで、レース中に2度首位に立ったものの、結果的に14位でフィニッシュした。15番手からスタートした佐藤琢磨は、レース序盤の大半を14番手で走行し、燃費を稼ぐ。最初のピットストップが間近に迫ったときにイエローが提示され、ピットロードがクローズされたため、佐藤琢磨は燃費を極力抑えたモードでの走行を余儀なくされた。
佐藤琢磨は9番手を走行中の38周目に最初のピットインを行い、8番手でコースに復帰する。リスタートではハンターレイとオワードをパスして6番手に浮上。続くスティントでも琢磨は燃費を稼ぎ、2番手だった79周目に2回目のピットストップを行なう。82周目には10番手となり、6周にわたってレイホールとポジション争いを展開。113周目には2番手に返り咲き、その3周後に3回目のピットストップを行なう。やがてレイホールがクラッシュした影響で6周にわたってイエローが提示。これで佐藤琢磨はさらに燃費を稼ぐことになる。次のスティントで佐藤琢磨は9番手以降まで後退することはなく、6ラップにわたってトップを走行。157周目に4回目のピットストップを行なった。ここから燃費をギリギリまでセーブした走りを要求された佐藤琢磨は18番手まで後退。しかし、チームはこの戦略を取り止め、佐藤琢磨にフルリッチで走行させて193周目にトップまで浮上したところでピットストップを行なった。その後、14番手でコースに復帰した佐藤琢磨は、そのままのポジションでチェッカードフラッグを受けた。「まず、エリオ・カストロネヴェスに最大限の賛辞を送ります。4回の優勝なんて、まさに生きる伝説です。本当に信じられません。彼が優勝した瞬間を、多くの観客、そして多くのファンと共有できたことを嬉しく思います」と佐藤琢磨はコメント。「今日の雰囲気は信じられないほど素晴らしいものでした。以前とまったく変わりなかったほどです」「僕たちのレースは、思いどおりに運びませんでした。最後のスティントで燃料をセーブするのは本当に難しい判断でした。僕たちはイエローが提示される奇跡を期待していましたが、残念ながらそうはなりませんでした」「それまで僕たちは、エリオの直後にあたる6番手か7番手を走行していました。チームは優勝を引き寄せるために最大限の努力をしましたが、今日は僕たちの1日ではなかったようです。もちろん、とても残念な結果ですが、僕たちはここから学んでさらに前進しなければいけません」