FIA-F2の第11戦がイタリアのモンツァで行われ、TGR WECチャレンジプログラムから同シリーズに参戦している宮田莉朋は、公式練習で4番手と好調な滑り出しを見せるも、予選は17番手。スプリントレースでは終盤追い上げ13位。フィーチャーレースは9位まで順位を上げチェッカーを受けたが、レース中のペナルティでタイムを加算され、14位という結果に終わった。
8月30日(金)から9月1日(日)にかけて、イタリアのモンツァ・サーキットで2024年FIA-F2第11戦が開催された。FIA-F2には今季TOYOTA GAZOO Racing(TGR) WECチャレンジプログラムのドライバーである宮田莉朋がロディン・モータースポーツからフル出場している。7月末の第10戦以来、1か月強のサマーブレイクを経てFIA-F2が再開された。全14戦で争われている今季の同シリーズも、今大会を含め残すところ4戦となった。今季FIA-F2とELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)に参戦している宮田莉朋は、一足先に前週ベルギーのスパでELMS第4戦に出場しており、サマーブレイク明け早々2週連戦の忙しいスケジュールとなる。今大会の舞台となるモンツァは、100年以上前からF1イタリアGPが行われてきた伝統のコース。フェラーリの地元であり、多くの熱狂的なファンの皆様が集まる。森の中を抜ける、昔ながらの超高速サーキットで、今大会の前に路面も全面再舗装されており、エキサイティングなバトルが展開された。宮田莉朋はデビューイヤーのFIA-F2序盤戦、中東の開幕戦と豪州の第3戦でポイント獲得を果たした。舞台が欧州へ移ってからは、初めてのサーキットで走行時間も限られる中、毎戦着実に経験を積みながら随所で光る速さを見せており、サマーブレイク前の第9戦ブダペスト、第10戦スパと連続でフィーチャーレース後半の追い上げを見せて2戦連続のポイント獲得を果たしている。【予選】8月30日(金)午後4時2分より30分間の予選が行われた。好天の下、気温は34度、路面温度も50度を超える暑さの中で激しいアタックが繰り広げられた。各車開始5分ほどを経たところでコースインするも、10分過ぎにコースオフ車両により赤旗中断。残り16分で再開されると、全車一斉にコースへ向かい、午前中の公式練習で4番手と好調さを見せた宮田莉朋は、この時点でのセクター2のベストタイムを刻むも、また別の車両が飛びだして赤旗中断。宮田はこのアタックを完遂できなかった。この2回目の赤旗からは残り6分で再開となり、各車最後の一発アタックへ向けコースイン。宮田莉朋は1分32秒896でその時点での9番手につけるも、その後ライバル勢も次々にタイムを更新して行き、ポールポジションから0.736秒遅れの17番手グリッドとなった。【スプリントレース】31日(土)、この日も気温33度、路面温度49度という暑さの中で午後2時15分より21周で争われるスプリントレースが行われた。スタート直後のストレートで、後続集団の接触により多重クラッシュが発生。いきなりセーフティカー導入の波乱の幕開けとなりました。宮田莉朋は目の前で発生したクラッシュを上手くかわし、13位へとポジションアップ。4周目に再スタートが切られると、宮田莉朋はライバル勢との激しい順位争いを展開。一時は17位までポジションを落とすもその後は周回毎にライバルをかわして順位を取り戻して行った。14周目に15位まで上がった宮田莉朋は、さらにペースを上げて前車との差を詰めていき、18周目に14位へ浮上。その後、上位車両が1台スローダウンしたことで、13位でチェッカーを受けた。【フィーチャーレース】9月1日(日)のフィーチャーレースは午前10時5分と早い時間からのスタートで、気温は29度、路面温度35度とやや過ごしやすいコンディション。この日もスタート直後、1コーナー進入で接触があり、1周目からセーフティカーが導入された。宮田莉朋はこの混乱を避ける形で18位へ後退。3周目に再スタートが切られ、1列に連なっての周回が続いたが、タイヤ交換義務消化が可能となる6周目を終えると、オプション(スーパーソフト)タイヤを装着している上位勢がピットへ向かった。上位勢がピットインしたことで、宮田莉朋は9位へとポジションアップ。8周目、宮田はさらに上位を目指すも、第1シケインで僅かに前車に接触し、この車両がスピン。2度目のセーフティカー導入となった。このタイミングで宮田莉朋らもピットイン。宮田もオプションタイヤからプライム(ミディアム)タイヤへと交換した。11周目に再スタートが切られ5台がピット未消化の状態で宮田莉朋は12位を走行。3戦連続でのポイント獲得の期待が高まった。しかし、先の接触で宮田にレース結果+10秒のペナルティが科されることに。また、再スタート後の混乱の中でコースオフを喫した宮田は、コースへ復帰したもののその際に定められたルートを通過しなかったとしてさらに5秒プラスのペナルティ。ペナルティを科されることになったものの、宮田莉朋はライバルとの激しいバトルを繰り広げ、14周目、15周目と前車をパスして9位へポジションアップ。その後も激しいバトルを繰り広げ、宮田は9位でチェッカー。しかし、15秒のペナルティを加えられたことで、レースは14位という結果となった。宮田莉朋結果は厳しいレースとなってしまいましたが、初めての走行でもフリー走行では上位にいくことができましたし、何かつかめさえすれば良いレースにできたと思います。今週末得られたことをまたしっかりと振り返って、次戦のバクーに挑みたいと思います。モンツァは高速サーキットでありながらもブレーキが非常に重要なコースで、やはり日本にないコースレイアウトですし、自分にとっても新たな発見ができました。この経験も今後のキャリアに活かしていきたいと思います。
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