ダニエル・リカルドが、2023年にレッドブルF1と“サードドライバー”と契約したことが発表された。基本的にグランプリ週末に関与しないその契約には“大人の事情”が推測させる。レッドブルは、リザーブドライバーとしてのポジションを用意しており、2023年はF2をランキング3位で終えてF1スーパーライセンスの資格を満たしたリアム・ローソンとデニス・ハウガーが務める。リザーブドライバーは、各グランプリに帯同、もしくはレース週末にファクトリーでシミュレーターでチームの作業を支援するためにスケジュールを拘束される。
リザーブドライバーの役割が設けられている場合、サードドライバーはいわゆるテストドライバーに位置する。レッドブルの発表でも記載されていた通り、ダニエル・リカルドはテストドライバーとして、テスト、シミュレーター作業、および商業活動を担当する。ピレリのタイヤ開発テストやファクトリーでのマシン開発、レッドブルが各国で実施するデモランなどがそれに相当する。ダニエル・リカルドは、2023年までマクラーレンとレース契約を結んでいたが、チームはルーキーのオスカー・ピアストリを起用するために1年早い契約解消を求め、リカルドはそれに同意した。契約解除によって、ダニエル・リカルドにはマクラーレンから2023年の給与の50%にあたる1325万ポンド(約22億円)の違約金が支払われると報じられている。だが、ダニエル・リカルドが2023年に他のF1チームとの契約に署名した場合には、そのチームと同意した給与と同じ額をマクラーレンに払い戻さなければならないともいわれている。実質的に金銭と引き換えのガーデニング休暇のような条項だ。ダニエル・リカルドは、まだ空席だったハースF1チームやウィリアムズのシートを負わなかった。したがって、レッドブルとの契約は、F1チームでの裏方の作業には関与するものの、基本的にグランプリでレースチームに関与できないという“大人の事情”が絡んでいると推測される。2023年の契約についてダニエル・リカルドは「24レースすべてに行くことはない。それならまだグリッドにいた方がいい」とアブダビGP後に語っている。「まだ自分自身のために少し休みが必要であり、少し離れる必要があることがクリアになった。でも、ある程度は周りにいて、関与し続けたいと思っている」レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ダニエル・リカルドとの契約には“特定の理由”があるとし、レッドブルのレースシートに戻る可能性を軽視。マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスという現在のドライバーラインナップに信頼を示した。ダニエル・リカルドは長期的に昇格の選択肢になるかどうか質問されたクリスチャン・ホーナーは「ノー。ダニエルの契約は、特定の理由から非常に具体的だ」とコメント。「我々はチェコと今後2年間の契約を結んでいる。マックスとチェコのパートナーシップが生み出したものは、我々にとって驚くべきものだった。今年これまでに 5 回のワンツー フィニッシュを達成し、我々が8年間獲得できなかったコンストラクターズ チャンピオンシップを獲得できたのは驚異的な成果だ。明らかに両方のドライバーのポイント貢献の組み合わせによるものだ」「2人のドライバーは良い関係を築いており、チームのために良いレースをしてきた。明日も、その後のチームへの契約上のコミットメントの期間もそれが変わるとは思わない」
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