2024年のF1世界選手権 第17戦 アゼルバイジャンGPのフリー走行1回目が9月13日(金)にバクー・シティ・サーキットで行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)がトップに立った。選手権のトップに立つフェルスタッペンは、レッドブル・RB20を駆り、3度も赤旗中断があったセッションで非常に競争力がある走りを見せた。
セッション終盤にフェルスタッペンはスピードを上げ、メルセデスのルイス・ハミルトンを0.313秒引き離して余裕のトップに立った。一方、セルジオ・ペレスはトップ3入りを果たし、レッドブルの序盤の進歩をさらに裏付ける結果となった。シャルル・ルクレールは残念ながら、バクーのグリーントラックの犠牲者となってしまった。フェラーリのドライバーはバリアに衝突してSF-24を損傷したためセッションを早々に切り上げ、この日2度目のレッドフラッグの原因となった。セッション開始と同時に、ほぼ全チームがピットレーンからコースへと出て行った。これは、バクーのトラックが「グリーン」であることを考えると、驚くことではない。なお、オリバー・ベアマンは、ペナルティポイントが累積12点で出場停止となったケビン・マグヌッセンに代わって出場。2025年にハースF1チームでフルタイムのドライバーとしてドライブするための準備として、今シーズン5回目のFP1に参加した。誰もがスピードを上げ、ラップタイムがどんどん更新されていく中、コース上の不明のデブリを取り除くために赤旗が振られた。セッションはしばらく中断した後再開され、フェルスタッペンがルクレールとハミルトンを抑えて序盤のペースを築いた。アルピーヌ陣営では、エステバン・オコンが突然のパワーダウンを無線で知らせてトラブルが発生した。それでも、オコンはクルーたちが問題を徹底的に調査できるよう、マシンをベースまで走らせた。セッションが半分を過ぎたところで、ルクレールがトップに躍り出たが、バクーのターン15に進入する際にトラックの汚れた側でロックアップし、マシンをTecProバリアに正面から激突させてしまい、SF-24の右フロントコーナーを大きく損傷した。またもや赤旗が提示され、故障したフェラーリを安全な場所に移動させ、ガレージに戻した。セッションが再開されたときもグリップ不足は解消されず、ドライバーの何人かがさまざまなエスケープロードを走るという事態となった。ノリスとピアストリが1-2フィニッシュを決めた直後、ハミルトンがマクラーレンの2人を追い抜いた。しかし、ウィリアムズのルーキー、フランコ・コラピントがターン4でマシンのリアを失い、バリアに突っ込んでFW46の右サイドを損傷させたため、またもや赤旗が提示されてレースが中断した。ここでもマーシャルの素早い対応により中断時間は最小限に抑えられ、ドライバーたちは10分間の走行時間を確保した。サインツはハミルトンとノリスの後ろの3番手につけたが、レッドブルのアップグレードされた(そして改善されたと思われる)RB20を駆る絶好調のフェルスタッペンが2番手に浮上した。バクーの最終セクターで大きなトウがなかったことが唯一の要因となり、チャンピオンシップリーダーは1位を逃した格好となった。しかし、セッションが終盤に入り、トラックのグリップレベルが向上すると、フェルスタッペンはさらにパフォーマンスを発揮し、最終的にはハミルトンを0.313秒引き離してトップに躍り出た。一方、ペレスも3位を獲得し、同様に好調だった。ノリス、サインツ、ピアストリがトップ6を締めくくり、フェルナンド・アロンソ、ラッセル、ルクレール、そしてバクーで優勝経験のあるレッドブルのダニエル・リカルドがトップ10を締めくくった。後半のグループでは、ベアマンがハースのチームメイトであるニコ・ヒュルケンベルグを上回り、コラピントは序盤でコースアウトしたにもかかわらず、ウィリアムズのチームメイトであるアレックス・アルボンを追い抜いた。角田裕毅(RB)は15番手。無線で『フロントがない。何故だかわからない』とグリップ不足を訴え、さらにはバウンシングも報告するなど、不本意なFP1セッションとなった。チームとドライバーは、今日の午後、バクーで行われる2回目のフリープラクティスが、より緊張感のないカオスな展開になることを期待している。
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